介入(後編)
ドル円が1日に6円も動くとか頭おかしいだろ
FXくるみちゃんですら1円動いてただけで風俗行きを覚悟したのに
仮想通貨はご愁傷様でした
夕食はまたも肉料理が中心だったが、甘いソースとワサビみたいな調味料のお陰で、胃もたれする事無く平らげる事が出来た。
ヨシムネは笑顔で両手の親指を立てた。それを見たキャロラインは顔を赤くしながらも、笑顔でガッツポーズして厨房へ向かって行った。
魔導電話が鳴る。
ヨシムネは背伸びしながらも受話器を取り、電話に出る。
『はい。こちらアリサカ商会です。御用件をお願いします』
『おう!ヨシムネか!』
『父さん!』
『今な、市内の政庁で雑事を終えてきた所だ。もう夕食が出来上がってるのか?』
『今父さん達の分をキャロが作ってるよ』
『…ほう!それは楽しみだな!彼女の料理はなんと行っても精が付く!』
『30分以内に帰って来るからそれまで本でも読んでいなさい』
『はい。わかったよ父さん』
どうやら父さんはもうすぐ家に帰ってくるようだ。
『…母さんも帰ってくるかな』
『フッ、それは分からないなぁ…』
『えぇ…』
『じゃあ大人しく待っているんだぞ!』
そう言って通話は切れた。
「母さんは父さんと一緒に帰って来るかもしれないな」
「何故そう思うのですか?ヨシムネ様」
「父さんは誤魔化しがとてもヘタなんだ」
「?」
「分からないなんて言う時点で誤魔化しきれなくなった様なモノだよ」
「…旦那様とは長い付き合いですが、イマイチ呼吸が合わないというか…」
「合う方が稀だと思うな」
「ふふっ、家族の事を話している時のヨシムネ様は幸せそうで…見ている私も幸せな気分になってきます♡」
「かっ、からかわないでよ」
「やはり可愛い御方ですね、ヨシムネ様は…」
キャロラインはその大きい乳をヨシムネの頭に乗せながら、後ろから抱きつく。
ヨシムネの耳がみるみる赤くなっていく。
「やっぱりまだ子供ですね。でも、何処かこのままで居て欲しい自分も居ます」
「伝説では時間を止める魔導もあるとか…」
(絶対邪な事考えてるな…)
「心配なさらなくとも私は魔導が苦手ですし、やるなら正面から行きますのでそのつもりで」
「キャロラインはそこら辺の冒険者よりも余程大胆だと思うよ。冒険者にはまだ会った事無いけど」
「…今度会って見ますか?商会と専属契約している冒険者の方がいらしたハズです」
「会いたい!」
「分かりました。明日彼等の拠点を訪ねて見ます」
「それじゃあ約束だよ!」
「はい。私も楽しみにしております」
彼女とのひとときはデザートよりも、甘い感じがした。