第四話 父からの贈り物
ようやくレベル5だ!
チロルはステータスを確認した
チロル レベル5
職業 コピペ士
スキル (スキル枠2)
剛腕1
「おおお! スキル枠が増えた!」
さっそく母から鑑定スキルをコピーさせてもらい所持スキルは剛腕と鑑定の2個になった
チロルは考える…
レベルが5上がるごとにスキル枠が1つ増えると仮定するとこの世界での男子の平均レベル50になった時はスキル枠は10個か…
この世界のほとんどの人はスキルは1つしか持っていない
2つ持ってるのは極々一部の者のみ
3つ持ってるのは過去に存在した勇者のみ
それを考えるとチロルがいかに異常すぎるかがわかる
まぁ現時点では2個だが頭打ちでこれ以上増えない可能性もあるが…
「レベル20までは上がりやすいがそこから先はなかなか上がりにくいって聞くしなぁ…」
チロルはそう呟くとふぅーっと息を吐いた
ちなみにこの世界での最高レベルは99とされている
歴史上の最高レベルは過去にいた勇者のレベル85
レベル99というのはあくまで世界共通の予想である
「とりあえずレベル上げたいけど効率よく上げるには魔物を倒したいな」
チロルの住む村の周辺は魔素がかなり少ないせいもあり魔物が極端にすくないというかほぼ存在しない
いるのはボアのような一般の野生動物だ
一般野生動物は魔物と比べ獲得経験値はかなり少ない
「よし決めた! ダンジョンに行こう!」
その晩チロルは両親に告げた
「父さん!おれダンジョンに行きたいんだけど」
父は黙って頷いた
「いいぞ…だけど条件がある」
この世界では15才になると大人の仲間入りとされダンジョンに行く事自体は普通の事だ
「チロルは今レベル5だったな。ダンジョンに行くには最低でもレベル20ないとキツいぞ。まずは王都で冒険者登録してクエストをこなし経験を積みレベル20まで上げるんだ。それがダンジョンに行く条件だ!」
「わかった! ありがとう父さん」
「チロルこっちにこい!渡したい物がある」
父の部屋に行くとすでに準備していたかのように色んな物が並べられていた
「まずは武器だ。狩りに使ってた剣もいいが魔物相手だとちょっと不安だな…だからこれをやろう」
父はそう言うと短剣をチロルに渡した
「これは若い頃おれが使ってたミスリル製の短剣だ。切れ味は抜群だからな。チロルが成長して手足が長くなるまで剣より短剣の方がいいだろう」
「ありがとう父さん…大事に使うよ」
それからチロルは皮製の胸当てと小さな盾そして収納袋を受け取った
「父さんいろいろありがとう、明日王都に行って冒険者登録してくる!」
「よし、最後にこれをやろう」
父はそう言うと金貨10枚を差し出した
金貨1枚は日本でいうと一万円ほどだ
「こ…こんなに!?」
「大事に使えよ!じゃあ今夜はもう寝ろ」
自分の部屋に戻ったチロルは興奮のあまりなかなか寝つけなかったがやがて眠りにつくのであった