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第二話 はじめてのコピペ

村に戻ったチロルはキュリの家に行った


キュリの家の前に大きな荷馬車や馬車が止まっており荷物を次々と積んでいっている

チロルは馬車に乗っているキュリの祖母に挨拶をした


「キュリのことおめでとう!これからはなかなか会えないと思うけどお互い頑張ろうってキュリに伝えて」


「チロルちゃんありがとね。ちゃんとキュリに伝えるからね」

祖母はニッコリしてそう言った


自宅に戻ったチロルはステータスを確認する


チロル レベル1

職業 コピペ士

スキル枠1



この世界では15才で職業を得ると初めてレベルが表示されるのだ

それまではモンスターをいくら倒そうがレベルは上がる事はないというか、レベル自体ないので上がりようがない



チロルはベッドに横たわり考え込んでいた

(コピペ…か… コピーっていっても何をコピーできるのか分からないからなぁ)


「んー…スキルをコピーとか!? やってみたいけど誰がどんなスキルを持ってるかなんか鑑定スキルないからどうしようもないけど」


そもそもスキルをコピーできたとしてどうやってコピーするのか分からない


部屋を出たチロルは夕飯を作っている母に声をかけた


「ねえ母さん、後でいいからステータス見せてくんないかな?」


「いいけど家族以外にそういう事言っちゃだめよ」



この世界ではよほど親しい関係でない限りステータスを見せるという行為はタブーなのだ


その後父が帰宅したので家族3人で夕食をとる


父が食事しながらチロルに話しかけた

「チロルの職業なんだっけ、コピなんとかって聞いたけど」


「コピペ士だよ まだどんな事ができるかわからないんだ。でも父さんはいいよなぁ…剣士だもんね」


「剣士なんかありふれた職だよ…でもどんな職でもチロルはチロル そんなに気にすんな」


父は剣士でスキル剛腕を持っている

王都で門兵として長年働いていたが足に大怪我をしたので退職してからは村に戻り、今はハンターをしている

村周辺の森でイノシシ型モンスターのボアを狩っているのだ

ウサギ型モンスターなどは逃げるので狩るのは難しいが突進してくるボアを狩るのは容易だ


母は鑑定スキルを持っているので村で道具屋をやっている。道具屋といっても品揃えは少ないが…


「あ、母さんステータス見せて!」


「前にも見せたでしょ」と言いながらもステータスを公開した


モルン レベル36

職業 鑑定士

スキル

鑑定3


チロルはコピーできるかどうか試そうと指先でステータス画面を触ろうとするが何もおこらない

しばらく考えた後、念じてみる事にした


(ムムム… コピー!)


するとステータス画面の鑑定3が点滅した瞬間なにかが自分の中に入ってきたような感覚がした


「ステータスオープン!」

チロルはあわてて自分のステータスを確認した


チロル レベル1

職業 コピペ士

スキル(スキル枠1)

鑑定1



「んおおおおおおおおお!」

チロルが大声を上げる!


「チロル!静かに食事しなさい!」


「母さん見て…! 俺のステータス!」


父と母がチロルのステータスを覗き込んだ

「おいチロル、おまえ鑑定なんか持ってたのか」


「父さん違う! いま母さんのステータスからコピーしたんだよ!」


「コピーってよくわからんがスキルを奪ったってことか!?」

父が声を荒げてそう言った


「え、あたしのステータスは変化ないわよ…ちゃんと鑑定3もあるし…」


どういう事だ?と不思議がる両親にチロルは説明する

「コピぺっていうのはコピー&ペーストの略だと思う、コピーというのは何かを複写するって感じの意味だよ。奪ったりする事じゃない。ペーストっていうのは貼り付けるって意味で、母さんの鑑定スキルをコピー…複写して俺のステータスにペースト…貼り付けたって感じかな」



「と、とんでもないスキルだなそりゃ… そのスキルの事は誰にも言わない方がいいぞチロル」


「わかってるよ父さん、あ、父さんの剛腕スキルもコピーできるかやってみていい!?」



「い、いいけど本当に複写するだけなんだろな!?」


「大丈夫!」


父の剛腕スキル3を自分にコピペしたチロルは不思議がった

さっき母からコピペした鑑定スキルが無くなっている!


「うーん…鑑定スキルが無くなってる。もしかしてスキル枠1ってのが関係してるかもしれない…スキル枠を上げればその分スキルを多数持てるようになるかも!」


「父さん明日おれも狩りに連れてってよ! レベル上げたいんだ!」


「よしいいぞ! じゃあ今日は早く寝ろよ」



自分の部屋に戻ったチロルはステータスを確認した


チロル レベル1

職業 コピペ士

スキル (スキル枠1)

剛腕1


ふぅむ…整理してみよう

まず相手のステータスからスキルをコピーできた

奪ったわけじゃないから罪悪感なんかはない

それを自分にペーストしたわけだがスキルレベルまではコピーされないようだ

父さんの剛腕3も自分にペーストした時点で剛腕1になっている

スキルレベルは使う度に熟練度が上がっていきレベルが上がっていく


あとはスキル枠をどうやって増やすかだ

おそらくおれのレベルが上がるとスキル枠も増えるはず


とにかく明日父さんに狩りをおしえてもらってレベルを上げてみよう



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