とあるクラスメイトAの手記
私は最近デビューした手塚シュガーと同じクラスだった者だ。
徳田さゆを不登校まで追い詰めた。
徳田さゆは、手塚シュガーに付きまとわれていた。四月に話しかけてしまったばかりに休み時間、昼休み、帰りの電車、バス。
反対方向なのに着いてきて精神を病んでしまったのだ。
学校に来なくなってからは他の人に話しかけまくった。皆に白い目で見られているのを知らなかったのは手塚シュガーただ一人。
私が手塚シュガーを嫌いになったのは、あるいくつかの出来事があったからだ。
それは
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あれはある雨の日、学校から家に帰るためのバスに乗った時のこと。
バスは、雨だからいつもよりも混んでいた。
座れなくても仕方が無いと、普通の人なら考えるだろう。シュガーが普通じゃなかっただけで。
案の定、私もシュガーも座れなかった。
次のバス停でお年寄りが乗ってきて、座っていた人が席を譲った。あくまでお年寄りに譲ったのであって、手塚シュガーに譲った訳では無い。
なのに、お礼を言って座ろうとするお年寄りの事を押しのけて座った。
そこで私に話しかけるな!友達だと思われたらどうしてくれるんだ!
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もう一つ。障害者差別や、理解できないことを人のせいにすることが多い。
差別用語だけでは無い。
骨折した人に「ほんとは?」と聞いたり、耳の悪い子が聞き返しただけで機嫌損ねる事があったり、遠足や学校行事ではお昼を食べさせてくれなかった。
何故か同じ班になってしまい………。地獄を見た。
挙句、クラスメイトBの補助器具を取った。
「ほんとはこれいらないよね?」「わたしここあにとって友達だよねぇ」「だまっててねぇぇ。ふぁっふぁっふぁ」
笑い方。
次のターゲットは友達のここあだった。
「ねーねーここあー。お昼一緒に食べてもいーいー?」いいと言う前に、言うつもり無かったけど、机と椅子と弁当と色鉛筆を持ってここあの席に来た。
お弁当は別に悪いわけではなかった。
だが、違う。食べ方が汚いのだ。
舌を出す。口に入れる。スプーンを舐める。口を開けて咀嚼する。
デザート、お菓子は机の下に隠して食べる。
生理的嫌悪感なんてものがホントにあるなんて知らなかった。
手塚シュガーの被害はまだある。
お金を取られた人もいるし、席を取られた人もいる。ボールを取られた人もいるし、まだいくらでも出てくる。
私は手塚シュガーと同じ班になってしまった。もうこれ以上耐えられない。
だから死にます。今まで、ありがとう。
さよなら
元になった出来事、人物は一部引用しておりますが、基本的にフィクションです。