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赤松先生のお茶  作者: あきこ
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壊れた携帯電話

先生をお見送りしていると、ちょうど優太が帰って来た。まっとんも一緒だ。

「お母さん、携帯壊れた」


「えっ何で この前買ってもらったばっかりやん」


「落として、壊れたんや」


「せっかく入学のお祝いにお父さんが買ってくれたのに

何で大事に使えへんの」


「そんなもん知るか、壊れたもんは仕方ないやろ

弁償したらええんやろ、弁償したらぁ」


「こら 何てこと言うの」

そこにいた加島先生の顔色が変わった。


「優太、お母さんに何て口の利き方をするんだ

お母さんに謝れ」

私も優太もびっくりした。

まっとんは私達の間をす~っとすり抜けて三階の優太の部屋にあがっていった。

「うるさい、黙れ、お前には関係ないやろ」


「優太、先生に何て事をいうの」


「優太、女手ひとつで子供を育てることは並たいていの事ではない。

大変なことなんだ。お母さんに謝れ」

涙ぐんでいるようにも見えた。


「ふん、うっさいんじゃ、このブス、チビ」

今にも先生の胸ぐらを掴みそうな勢いだったが少しの間二人のにらみあいが続いて優太は


「ふん、黙れ うっとうしいんじゃ 帰れ」

と捨て台詞を吐き自分の部屋にあがって行った。


「先生、ホントすみません。申しわけない。偉そうに言って」


「いえ、大丈夫ですよ。では帰ります」


先生は笑顔で挨拶してママチャリで帰って行った。

でもびっくりした。すごいのを見てしまった。

今時こんな先生いてるの?初めて見た。

あの可愛い加島先生が正々堂々と、すごい迫力で優太を叱ってくれた。

関東弁なので更にパワーがあった。

あれ程の事を言えるなんて先生も子供の頃母子家庭で育って苦労してきたのだろう。

さっきの先生の顔と

「優太、お母さんに謝れ」

の声がしばらくの間、目と耳に焼き付いて離れなかった。


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