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赤松先生のお茶  作者: あきこ
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歯が折れた

 優太が、凄い顔で泣いて走って家に帰ってきた。

「お母さん

歯が・・・・歯が、折れてもうた

こんなんじゃあ学校にいかれへん。どうにかしてくれ」


泣きわめているが、面白い顔だ。

吹き出しそうになったが、笑ったらぶち切れるだろう。


「どうしたん?喧嘩でもして誰かに殴られたんか?」

「違う、友達とじゃれてふざけて走ってたら壁に激突した」

「ほんまに?

頭打ってないか?」

「打ってない」

「手や足の骨、折れてないか?

動くか?動かしてみて」

「折れてない。動く」


左の前歯が折れていて、相当面白い顔もなっていた。おもろすぎる。

それにあまりに、わんわん泣きわめくので更におもしろくブサイクな顔になっていた。

本人にとっては一大事である。

「なあんや、頭も打ってないし骨折もしてなくてよかったやん

それやったら急がなくてもええやろ

今週中にも予約して歯医者さんに行こか?」

「あかんねん、それではあかんねん

今すぐ何とかしてくれ」

「え~今すぐ?・・・・・・」

「こんなんやったら、学校に行かれへんねん、どうしたらええねん

何とかしてくれ」

「それぐらいやったら、大丈夫やろ 今日じゃないとあかんのか?」

「今日じゃないと、困るねん

こんな顔見られたら皆に笑われる どうしても今日じゃないとあかんねん」


そこまでいうなら仕方がない。

あまりにも悲壮な顔で泣きわめくので慌てて近所の歯医者を予約して一緒に付き添った。

歯医者さんが保険のきく安いセラミックをかぶせてくれて、まあ

見た目もそれなりに何とかなった。

あの時の、歯が折れた顔は本当にユニークだった。


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