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志保サイド

               ○

あたしが最初彼女を見たときは素直に「綺麗な子」・・という感想を抱いた。

入学して代表を務めるってことは学年首位ってことだよね。

その子は強烈な存在感を持っていた。彼女がいるだけでその場の雰囲気が変わったのである。

まさか彼女にあんな秘密があるとは思わなかった。

それを知るきっかけになったのは嫉妬心からだった。

彼女が私の幼なじみをチラチラ見てたからだった。

彼女は女の私が見ても目を見張るような美少女で・・・・・とてもあたしに勝ち目はないと思った。

「まさか志保にそんな趣味があったとはマジでビックリ。」

その美少女が目の前で優雅にお茶を飲んでいる。

どうやら寝ぼけて彼女にセクハラしたらしかった。

今日は日曜日であたしは彼女、水沢円の家にお泊まりしたのだった。

そしてあたしは結構衝撃的な告白を受けたのだった。

「あたしは普通に男が好きなんだけどな。」

「・・・・そう願いたいよ。」

彼女、水沢円はちょっと口調を変えて言った。

「私・・・いや俺としても志保は準と付き合ってくれた方が嬉しい。」

彼女は、その準の生まれ変わりらしい。

そのせいかすごく大人っぽい感じを受けることがある。

確かに準が成長したらこんな感じなんだろうなと感じることもある。

見かけはたしかに美少女なのだが。

「そういえば、あなたの言ってる未来を変えられることは出来るの。」

「・・・俺の記憶じゃこの水沢円は10歳前後で死んでる。だからすでに歴史は変わってるんだよ。」

ちょっと彼女はショッキングな事を言った。

「え?なんで?」

「聞いた話じゃ一度も病室から出られないまま死んだ。接点がなかったから詳しくは知らないけどな。」

円曰く、魂が入ってなかったからじゃないかとのことだった。

「ま、おかげで俺は私で居られるわけだけれど。」

「ねえ。一つ聞いて良い?」あたしは円に聞いた。

「準にこの話をする気は?」

「ないよ。」即答だ。

「信じやしないから?」

「良く考えてみなよ。志保。目の前に居る学校一美少女で超ハイスペックお嬢様の『水沢円』が未来の自分って分かったらお互いに気まずいだろ。」

「・・・・確かにね。」いろいろ形容詞に突っ込みたいポイントがあるけど、なるほどと思った。

そりゃ確かにイヤだわ。

自分に置き換えてみるとよく分かる。


その後、あたしと円は急速に仲良くなっていったと他のクラスメートに羨ましがられた。

「お前最近、お嬢様と仲良くなってね?」と準も聞いてきた。

「ん?何?準妬いてんの?」

「ば、ばか言うなよ。」

「ほー、興味ありまくりって奴?あんなお嬢様があんたなんか相手にすると思う?」同一人物過ぎてきもいしと内心つっこむ。

「でもさー、他の連中もうらやましがってんだぜ?高嶺の花のあんなお嬢様とどうやって親しくなったか。」

「・・・・秘密の共有。」準の背後からその円自身が静かな口調で言った。

突然すぎて準もビックリしたらしい。

「志保さんから聞いてるよ。あなた、幼なじみですって?」

「ひゃは?はあ。」ちょっとどもる準であった。

「これからよろしくお願いしますね。杉村くん。」円はにっこりと天使のような微笑みを浮かべて頭を下げた。

「こ・・・こここちらこそ!」準は赤くなって答える。

「・・・・いろいろとね・・。」

・・・・・あたしは円が小声でぼそっと言ったことを聞き逃さなかった。

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