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彼女シリーズ

彼女かと聞かれると違うと断言できる

作者: 水鏡良芽

今回は会話相手は彼女ではありません。

それでも良ければ、どうぞ、読んでみてください。

学生にとっては大切な休日の昼間、俺はこいつと買い物に出かけていた。


「ねぇねぇ、飯島くん、あのショップ見に行こーよ」

柳楽が話しかけてきた。

フリフリのワンピース、フリル付きのスカート。

そして、ハートのイヤリング。

休日を楽しむための服装だろう。

だが、目の保養には決してならない。むしろ有害だ。


「行かん」


「じゃあじゃあ、あっちの喫茶店ー。あそこのアイス美味しいんだよー」


「行かない」


「むぅ。いじわる」

断じて意地悪ではない。俺は終わりたい。


「わたし達、カップルなのよ?どうしていじわるなの?」

「カップルじゃねーよ!!」

そして、続けて、言おうと思ったが、人目があるために、言いたいことをぐっと抑える。

言いたいこと、それは









お前、男だろっ!!






柳楽 海二


高校二年生、卓球部、全国大会経験あり。

その童顔と、顔に似合わない運動能力、

みんなに平等に接する裏表のない性格から

男女共に人気のあるクラスのヒーロー的存在だ。

もちろん、そんな人気者と、こんな地味な

バードウォッチング部の俺が一緒に買い物に

いけるとなると本来なら、嬉しいだろう。


し、か、し!



男で、女装しているとなると、話は別だ。

すこしも全然全くこれっぽっちも嬉しくない。

むしろ、悲しいくらいだ。休日に女装好きの変態と買い物をするなんて。


ひょっとして男装の令嬢かも……とは思わない。

俺の目がこいつを男だと認識してしまう。


筋肉の付きかた、ほんのわずかに出た喉仏。

悲しいかな、バードウォッチング(裸眼)で

鍛えたこの目がこいつを女だと認識できない。




「早くー♪」

「待て」

どうも気に入った服を見つけたらしい。

そもそも、どうしてこんな変態に付き合って(恋愛的要素は皆無!)一緒いるかと言うとこいつからの電話のせいだ。




午前8時40分




「はい、もしもし飯島ですけど」


「ねえ、飯島」


「何だ柳楽か。何か用か?」


「今週の土曜日に買い物付き合ってくれない?」


「格好は?」


「ラフなのでいいから」


「言い直そう。お前の、格好は?」


「もちろん、いつもの格好」


「……チャームポイントは?」


「ハートのイヤリング♪」


「他を当たれ」

ツーツーツー。

「はいもしもし、佐藤ですが、決して飯島では

ありません」


「……リダイアルって知ってる?それを使ったんだけど」


「そうか、用件は言わなくていいから早く死ね」


「ちょ、ちょっと待ってよ」


「お前と違って暇じゃねーんだよ」


「宿題で?」


「ぐっ。お、お前には関係ねーよ。もう切るぞ」


「……プリント三枚目、問一の括弧三番、

答え、い。四番は、あ。」


「何! ……………………合ってる。そういや、頭良いんだったな」


「プリントはたしか、正当率80%以下だと別のプリントをもう一回だっけ♪」


「…………」


「プリント六枚、終わるかな。終わっても間違っていたら……ふふ♪」


「何が言いたい」


「Give and take だよ。そっちは答えを分かりやすく教えてもらう。こっちは荷物持ちがいてくれる。どうする?」


「……いいだろう。乗ってやる」

的な友情と同情あふれる会話の結果だ。

柳楽には感謝してほしい。

「いーそーいーでー」


「待てっていってんだろ」

そういい、俺はあいつの所へ歩いていった。

遠目に見ると、彼女を追いかける彼氏に見えるかもしれない。しかし、断じて違う!!




もう一度言おう。あいつは男だ!!











どうも、水鏡良芽です。

今回は、短編、そしてまたまた、思いつきの

文章ですが、読んでくれてありがとうございます。

連載→短編→連載→短編のジグザグを

曲弦師ではないですが、続くかもしれません。

不定期投稿ですが、頑張ります。




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