第一話 「天使」
何か 漫画のネタ忘れちゃ駄目だろ、と友達に言われて小説に挑戦しました(笑
まぁあくまでもネタなので、下手だろ、とか思っても心のうちで笑って見逃してやってください
(´・ω・`)
物語としては、少年が主人公ではなさそうな能力を手に入れて「ひゃっほい!」的な漫画ですかね
マジで初心者の気の迷い的な小説ですんで、評価は人それぞれとは言いつつも悪い方に偏るとは思いますが、どうぞ呼んでくださると嬉しいです
「願いを何でも叶えてくれるだぁっ!?」
少年の大きな声が響く。
「だったらなぁ…」
「オレをっギャルゲーの主人公にでもしてみろやぁっ!!」
-----------30分前-------------
日本のとある町の上空。
大きな翼で軽い音を立てながら羽ばたく、天使がいた。
名前を リシュルー:クロヴィス
彼女は暇をもてあました神の使いとして、地球に降り立っていた。
「あふぅ」
気の抜けた声。
「もぅ疲れたよぉ…」
人間の少女のような、澄んだソプラノの、綺麗な声で、しかし言葉はまだ幼い子のように。
キラキラと輝くな金髪をなびかせながら、彼女は不平な声を漏らす。
「もぅ三日も飲まず食わずで飛び続けて…さすがに体力の限界かなぁ」
神様に「力」を制御されちゃってるし、とリシュルは心の中で付け足した。
そしてしばらくよろよろと翼をはためかすと、彼女の動きが止まって
「もぅ駄目ぇ…」
落ちた。
-------------同じ頃------------
「くぁ~っ!!ヒマっ!!」
少年が忌々しげに欠伸を漏らし、切り捨てるように言う。
こちらの少年の名は藤井貴人。これといって特徴も無い、ごく一般の高校生。
彼の周りには読み散らかしたような漫画が、所狭しと散乱していた。
「-…ったく、オレが楽しめないなんて、世の中どーかしてるぜっ!!」
いかにも自己中心的な発言をし、後を続けた。
「あーあ、何か面白いこと起きねぇかなぁ」
貴人が言い終えたと思えたその瞬間、ソレが来た。
ドッゴォオオオオオオオ!!!
藤井家の屋根をこれでもかというように弾き飛ばしながら、ソレは落ちてきた。
そして、部屋だったところは、一瞬にして廃墟となる。
衝撃による煙の中、ソレは喋りかけた。
「こんにちはぁ、藤井貴人さん♪」
驚きとか、恐怖とか、そんな感情一切取り払って、貴人の頭にはただ困惑が沸く。
そして、二人の間に沈黙が流れる。
「…誰?」
ようやく口に出したその一言が、貴人をさらに困惑させる。
「私はぁ、神様の使いで、天使のリシュルー:クロヴィスと言いますっ」
神。天使。聞きなれない単語。
いや、聞きなれてはいた。ゲームとか、小説とか。
しかし実際に聞くと、初めて聞いた単語のように意味の分からないものに感じた。
「…神。…天使」
ただ、繰り返す。
「はいっ」
律儀に帰ってくる返事。
目の前に立つ、大きな白い翼を生やし、頭にはうっすらと発光する半透明上のわっかをつけた少女を眺め、貴人は思う。
んぁー…家壊れちゃったなぁ…ってか寒いんですケド。
思考が平凡になる。
そして
「…夢だっ!!」
キッパリと。そう言う。
「えぇっ!?」
驚きの混じった、リシュルーの声。
「だってさ、おかしくね!?いや、確かに面白いことおきねーかなーとか言ったよ!?だけどさぁ…だけどさぁ…っ!おかしくねっ!?天使!?神!?ふざけんなっ夢に決まってんだろがっ!!」
信じてはいけない。そう思い込ませるように、貴人は一気にまくし立てる。
そして
「っていうか夢だってんならこの家も夢の物体!?だったら魔法的な何かで直ったりすんじゃねっ!?」
そう、いってしまった。
「はぃ、簡単ですよぉ」
まるでソレが当然というような、軽い声。
同時に、リシュルーが指を「パチン」と鳴らす。
すると
まるでそんなことが無かったように、「魔法的な何か」で、「部屋だったもの」、から「部屋」に、あっという間に変わる。
「…は?」
大口を開けて、馬鹿のように声を漏らす。
「はぃ、これで私が天使だってこと、分かってもらえましたかぁ?」
まだ整理のついていけてない貴人に、すこしズレた理解をしているリシュルーが、問いかける。
夢だ。貴人は無理やりそう思い込むことにした。
「それでは、本題に移りますねっ」
「本題…?」
「はいっ。私が、此処に来た理由、ですっ」
天使が此処に来た…理由。…天使…天国…
「………っ!!」
まさか…オレって死n
「いえ、あなたの考えてるようなことじゃないですよぉ」
絶望が見て取れるように豹変した貴人の表情に、リシュルーが慌てて言う。
「私は、神様の命で、ここまで来ましたっ」
…神。
長くなりそうだな、とは思いつつも、貴人は取り敢えず話を聞くことにした。
「神様はこの宇宙…いえ、「始まりの何か」…「無」そのものが存在する前から、存在していました。しかし、「神」とは言っても、何もすることが無いのでは、ただ存在するものとなるだけ…。…そう感じられた神様は、自分の「日課」をお作りになられました。「調整」。万物が、万物で在るための、万物として成るための、「調整」を。」
リシュルーは、そこで一度話を切った。普段の様に喋るのではなく、キッチリと緊張感ある喋り方が疲れるせいもあったが、なにより貴人が話に着いてきていないのでは、何も意味が無いからだ。
しかし、思ったよりも貴人は話を理解しているようにリシュルーは感じた。
…実際、貴人は普通に理解していた。「夢」として。
この自分に起きる壮大(笑)な出来事を、夢の様に、あえて言うならばゲームの説明の様に、理解をしようとしていた。
リシュルーは続ける。
「しかし、今、神様の「調整」無しで在り、成ることのできる「もの」が増え始め、しかし新しく「もの」を作るには万物のバランスを崩す恐れがある…。次第に、神様のすべき「日課」は減っていき、また、神様は暇をもてあそばれるようになってしまいました…。」
ここからが重要、とばかりにリシュルーはまた、一拍をおく。
「先日、神はある考えを私達にお話になられました。それは神様の「調整」によって出来たものの一角の調整のバランスを崩し、神様のお作りになられた「物語」を何者かに演じさせることでした。」
「…ん。おぃおぃまさか」
「あなたが、その候補者の一人として、選ばれましたっ」
「普通」の喋り方に戻ったリシュルーが、言う。
マジかよ。…いやいや…。マジかよ。
「その代わりに、あなたは、願い事を一つだけ、何でも叶えることが出来ますよぉ」
願い。神の直接的な支配のの人形になる代わりに、願いが叶う。
…しかし、コレは、夢。
「あ、でも、願いを言ってしまうと取り消しは出来ませんし、言ってしまうと強制的にー…」
だったら…
貴人はロクに考えもせず、言った
-----------そして-----------
何でも一つ叶う「願い」を、貴人は「ギャルゲーの主人公にしろ」と言った。
そしてそれに対してリシュルーは
「分かりましたぁっ」
笑顔で。そう、笑顔で。さも簡単、という顔で、元気に言った。
そして
「これであなたは、「主人公」の一人に、決定しましたっ!!」
「…ハっ。んじゃオレはギャルゲーの主人公になったってのかよ?」
「はいっ」
…あまりにもあっさりと返事を返され、しかも、なんか自分では考えられない凝った設定に、貴人の頭に不安がよぎる。
「あのさぁ…コレ…夢?だよな?」
恐る恐る、といったように、貴人はリシュルーに尋ねる。
しかし笑顔で返されたその台詞は。
「いいえ?もちろん現実ですよぉ」
………………
ほっぺたをつねってみよう。
定番とか言うなよ、うっさい。
「……いひゃい(泣」
ユ メ ジャ ナ イ
ー…こうして、ごく普通の高校生(元)の貴人の物語が始まるー…




