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婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!  作者: 山田 バルス


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第6話 地下牢マイルーム生活:モーニングからランチ編

地下牢マイルーム生活:モーニングからランチ編


 山のように積まれた漫画をようやく読み終えた頃、ローゼは大きく伸びをした。


「ふぅ……読みきった……。あぁ、楽しかった……」


 心地よい疲れと満足感に包まれる。だが、目はだんだんと重くなっていた。


 部屋を見渡すと、ロフトへのはしごが目に入った。


「……あそこ」


 そう、前世でいつも眠っていたのはロフトのベッドだった。天井に近い秘密基地みたいな空間。ちょっとした安心感と落ち着きを与えてくれるお気に入りの場所。


 ローゼははしごを登り、布団に潜り込む。


「明日が楽しみだな……」


 その小さな呟きを最後に、彼女は静かに眠りへと落ちていった。


 ――ポロリン♪


 軽やかな電子音で目が覚めたのは、約八時間後だった。


「ん……あれ? 音……?」


 目を擦りながら、透明なウィンドウを確認する。


【レベル5到達!】

 新スキルが解放されます。


 《君に宅急便で毎日お届け:モーニングセット》

 次の中から選べます(※日替わりお任せメニュー):

 1.和食

 2.洋食


「……モーニングセット!」


 ローゼは小さく跳ねた。昨日の鮭定食の衝撃がまだ舌に残っている。だが同じ和食を続けるのはもったいない。


「今日は……洋食!」


 選択と同時に、机の上に白いプレートが現れた。ふわふわに焼き上がったフレンチトースト、添えられたベリーソース、そして湯気を立てるコーヒー。


「わぁぁぁ……っ!」


 フォークで切ると、パンの中から卵液がじゅわっとあふれ出す。口に入れると、甘くて優しい味わいが広がった。


「んんんっ……しあわせぇ……」


 温かなコーヒーで流し込みながら、ローゼは心底嬉しそうに笑った。


「さて……今日は何しようかな?」


 漫画は一度読み終えてしまった。読書もいいが、昨日見送ったアレを試す時が来た。


「そう、インターネット!」


 ローゼはわくわくしながら、ウィンドウを開いた。


 表示されたのは、見覚えのある検索画面。そして動画サイトのアイコンが光っている。


「えっ……アニメ!?」


 クリックすると、前世で途中までしか見られなかった作品が並んでいた。刀を振り回す剣士たちが舞い、音楽に合わせて踊るあの話題作――。


「続きを……見れるんだ……!」


 ローゼは震える手で再生を押した。


 画面の中でキャラクターたちが戦い、友情を語り、輝いている。懐かしい声、懐かしい旋律。


「うぅ……やっぱり最高……!」


 夢中になって見ていると、あっという間に一時間が過ぎ――画面が暗転する。


「えっ!? もう終わり!?」


 残酷な制限時間。ローゼは思わず床を転げ回った。


「しくしく……続きを見たいのにぃ……」


 だが、すぐに気を取り直す。


「ううん、これは逆に毎日の楽しみになるわね。明日もある、明後日もある……」


 そう考えると、胸の奥がほんのり温かくなる。


 そのとき――。


 ――ポロリン♪


「また!?」


 ローゼは驚きながらウィンドウを開いた。


【レベル6到達!】

 新スキルが解放されます。


 《君に宅急便で毎日お届け:本の入れ替えサービス》

 1.サクラより団子 37巻

 2.果物を入れるカゴ 23巻


「本の入れ替えサービス……!」


 今ある漫画を読み終えても、次が手に入るということ。


「えーっと……ここは、サクラより団子!」


 即決だ。机の上に新たな漫画がずらりと現れ、ローゼは再び読書タイムへ突入した。


 ページをめくる。主人公とその仲間たちの恋と友情、時に笑い、時に涙。気づけば八巻目に突入していた。


 ――ポロリン♪


「きたっ!」


 またしても音が鳴り響く。


【レベル7到達!】

 新スキルが解放されます。


 《君に宅急便で毎日お届け:ランチセット》

 次の中から選べます(※日替わりお任せメニュー):

 1.和食

 2.洋食


「……ランチまで!?」


 笑いながらローゼは【洋食】を選ぶ。


 すると、机の上に温かい皿が現れた。


「……パスタ!」


 茹でたてのパスタに濃厚なトマトソース。サラダとパンも添えられている。


 フォークをくるくると回し、口に運ぶと――。


「ん~っ、おいしいっ!」


 口いっぱいに広がる酸味と旨味。胃袋が幸福に満たされていく。


「……もう最高としか言えない……!」


 だが、昼食を食べ終え、漫画に戻ろうとしたとき、ふとローゼは呟いた。


「……でも……ちょっと飽きてきたかも」


 漫画は楽しい。食事も最高。だが、ずっと同じことを繰り返すと、人は慣れてしまう。


「……でも、続きを読みたい気持ちもあるし……考察とかは全部読み終えてからでもいいかな」


 そう結論づけて、ローゼは再びページをめくる。


 こうして、彼女の引きこもり生活は、さらなる快適さを増していくのであった。

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