第41話 アーサー視点 アーサー断罪される!
【お願い】こちらはなろう様用の通常版断罪になります。アルファポリス様用はBL色があるので、一般の方は行かないようにしてください。
玉座の間 ― アーサー視点
その瞬間、背筋に氷の刃を当てられたかのような感覚が走った。
陛下――グランツ陛下が、ゆるやかに玉座に身を沈めながら、低く嗤ったのだ。
「さて……アルベルトを止められず、むしろ加担し、ローゼ嬢を断罪する手助けをした者がいるな」
空気が一気に張り詰めた。
わたし――アーサーは思わず呼吸を止め、目を伏せる。
まさか……いや、そんなはずはない。殿下が咎を受けられた今、矛先はこちらに向くことなど――。
だが陛下はゆっくりとこちらに顔を向け、薄く笑んだ。
「アルベルトを主席にせよと、学園長を脅し、偽りの成績で人々を欺いた……その手引きをしたのは誰か」
全身から血の気が引いていく。
誰も口を開けぬ沈黙。
その答えを言うまでもなく、玉座の間にいる全員が知っている。
――アーサーとマッスル。
「さらに――そこにいるミーア嬢と恋仲にあった者たちがいるそうだな」
言葉が雷のように落ちた。
わたしの心臓が破裂しそうなほど跳ね上がる。
「ち、違っ――」と叫ぼうとしたが、声が喉に貼りつき、出てこなかった。
「アーサー、マッスル。お前たちだ」
陛下の冷たい宣告。
場の誰もがざわめき、驚きを隠さなかった。
◆
その時だった。
マッスルの父――騎士団長のドルフが前に出た。
「父上……」マッスルがかすれ声で呟いた刹那、
拳が轟音を立てて彼の頬を打ち抜いた。
「ぐはぁっ!」
巨体が宙に浮き、床を転がる。
あの怪力のマッスルが、一撃で吹き飛ばされたのだ。
「……王の御前ゆえ、今日のところはこれで済ます」
ドルフは血に濡れた拳を振り払い、深々と頭を垂れた。
その姿に、玉座の間の全員が息を呑んだ。
◆
陛下は笑みを深め、宣告した。
「アルベルトに従い、虚偽の栄誉を享受し、理不尽を広めた。ゆえに――お前たち二人にも、アルベルトと同じ去勢の刑を科す。その後は鉱山送りに処す」
その言葉の意味が、すぐには理解できなかった。
「……お、同じ……刑……?」
震える唇から、かすれた声が漏れる。
理解した瞬間、視界が真っ暗になった。
去勢。
殿下に言い渡された、あの恐怖の刑。
それが――わたしにも。
「や、やめ……」
叫ぼうとしたが、口から出たのは嗚咽に近い声だった。
目の前がぐらりと揺れ、膝が崩れる。
恐怖に押し潰され、わたしはその場で気を失った。
◆
……目を覚ましたとき、わたしは白い天井を見上げていた。
ぼんやりとした意識の中で、下腹部に鈍い痛みがあることに気づく。
恐る恐る手を伸ばし――そして、絶望が全身を襲った。
ない。
そこにあるはずのものが、何もない。
信じられない。
嘘だ。悪い夢だ。そうであってほしい。
だが現実は、残酷なまでに冷徹だった。
「う、あぁぁぁぁぁ……っ!」
涙があふれ、喉から獣のような声が漏れる。
床を拳で叩き、身体をよじらせても、失ったものは戻らない。
わたしは魔術師であり、殿下の側近であり、誇り高き男だった。
その誇りを、この国王は、容赦なく奪い去ったのだ。
すべては、ローゼ嬢を断罪するという愚かな芝居に手を貸したから。
すべては、アルベルト殿下の傍らに立ち続けたから。
そして何より――
ミーア嬢に心を寄せた愚かさが、命取りとなったのだ。
◆
わたしは泣いた。
嗚咽し、声を殺して泣いた。
男としての未来を奪われたこと。
夢を託した殿下を救えなかったこと。
そして――愛した女が、呪いのせいでふくよかな姿となり、なお罪を背負わされていること。
この国に正義はない。
あるのはただ、権力を振るう冷酷な笑みだけ。
その日、わたし――アーサーは、かつての自分を完全に失ったのだった。
【お願い】こちらはなろう様用の通常版断罪になります。アルファポリス様用はBL色があるので、一般の方は行かないようにしてください。
【お願い】こちらはなろう様用の通常版断罪になります。アルファポリス様用はBL色があるので、一般の方は行かないようにしてください。




