表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!  作者: 山田 バルス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/44

第11話 男爵令嬢ミーア視点 ― 婚約破棄の夜

ミーア視点 ― 婚約破棄の夜


 煌びやかな大広間。

 その中心でわたしは「選ばれた少女」として、王子殿下の隣に立っていた。


 ……やったわ。

 ローゼ様は牢屋に落ちた。これで邪魔者はいなくなったの。


 わたし、ミーア・ベネットは男爵家の娘。公爵令嬢のローゼ様と比べたら、立場なんて月とすっぽん。でも――殿下の前で涙を見せて庇護欲を煽ることくらい、わたしにだってできる。


「殿下……わたし、本当に、夢のようです……」

 わざと声を震わせて言えば、アルベルト殿下は優雅に微笑み、わたしの肩を抱いてくれる。


 ああ、この瞬間を、どれほど待ち望んでいたことか。

 これでわたしは――次期王妃。


 ぐふふ、あっはははは!

 心の中で高笑いが響く。


 王妃になれば、贅沢も権力も思いのまま。社交界の女たちが羨望と嫉妬の眼差しでわたしを見るの。ローゼ様のように「完璧なお姫様」でなくたって、最後に王子の隣にいるのはわたし。勝ったのは、わたしなのよ!


 ……でも、問題がひとつ。


 人知れず、わたしは殿下に近づく前から「味見」をしてしまっていた。


 青髪の麗しきアーサー様。侯爵家の御曹司で、魔法師団長の息子。冷ややかな眼差しと、聡明な頭脳。気取ったところはあるけれど、抱き寄せられた時の色気は殿下以上。

 そして、真っ赤な髪のマッスル様。騎士団長の息子で、全身が鍛え抜かれた筋肉。あの腕に抱かれると、まるで守られているようで安心するの。


 ……正直に言えば、この二人との夜を手放すのは惜しい。


 アーサー様の整った顔立ちを見ているだけで胸が高鳴るし、マッスル様の抱擁は、女として抗えないほど甘い。

 どちらかなんて選べない。二人とも「お気に入り」なのだ。


 でも――。

 これからはアルベルト殿下の婚約者。軽率な行動をすれば、一瞬で立場を失う。


 そう、わたしは今や「勝者」。負け犬のローゼ様とは違う。


 ……それでも。


 あの二人と重ねた夜の記憶が、時折よみがえるの。

 マッスル様の筋肉を撫でながら笑った夜。

 アーサー様に耳元で囁かれ、震えた夜。


 ――ああ、どうしてこんなに未練があるのかしら。


 アルベルト殿下を手に入れたのだから、本来なら他の男たちなど忘れるべきなのに。


 でも……。


 殿下は舞台役者のように自分を飾ることに夢中で、わたしを本当に「女」として扱ってくれるのか、不安になる瞬間がある。

 対してアーサー様とマッスル様は……。

 彼らは確かにわたしを「女」として見てくれていた。


 ――だから、怖いの。


 この秘密が露見したら?

 殿下に知られたら、すべてを失う。


 だからこそ、わたしは手を打った。

 最も告げ口しそうだったローゼ様を、牢屋に落とした。


 ふふふ、これで安心。

 あの女が地上に戻ってくることはない。貴族牢ですらなく、地下牢。反逆者と同じ扱い。二度と社交界に戻れるはずがない。


 これでわたしは、堂々と殿下の隣に立てる。


 でも……。


 王子に隠れて、またアーサー様とマッスル様に会ってしまうかもしれない。

 だって、あの二人を簡単に手放すなんて、もったいなさすぎるから。


 殿下の華やかさ。

 アーサー様の知性と冷徹な色気。

 マッスル様の獣のような筋肉と情熱。


 三人を比べると、どれも魅力的で、どれも捨てられない。


 ――これがわたしの本音。


 ……でも、何も問題はない。

 もうローゼ様はいないのだから。


 王妃になるのはわたし。

 そして裏で、好みの男たちと楽しむのもわたし。


 誰も、それを止められない。


 わたしの高笑いが、大広間の記憶をかき消していく。


「おーっほっほっほ! これでわたしの勝ちですわ!」


 ……さあ、新しい人生を始めましょう。

 わたしはミーア・ベネット。

 王妃でありながら、決して一人の男に縛られない――自由な女王になるのよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ