王道?テンプレ?・・・だがそれでいい!!
窓の外から響くスズメの鳴く声を聞いて、俺はもう朝なのかと認識した。
いつぶりだろ、こんなにぐっすり眠ったのは。まさか絵里が帰ってきたきただけで不眠症まで改善されるとは。恐るべし俺の幼馴染愛。
そんな事を考えていると、下からいい匂いと共に楽しそうな話声が聞こえてきた。警戒してリビングに入ると
普段東京で働いているはずの親父が、朝ごはんを作っている絵里と話していた。
「親父!?なんでここに?それに絵里も当然のようになんで朝ご飯作ってんだよ!?」
てか絵里の制服エプロン姿、破壊力ヤバすぎだろ!歳の割に成長した胸、尻、太もも!
どこを見ても完璧な、何より可愛い彼女の姿が俺の脳の活動を徐々に邪魔する。
「何をそんなにジロジロ見てるのよ。……は、恥ずかしいでしょ!」
は?可愛い。何こいつ可愛すぎだろマジで、いい加減にしろよ。
可愛いさの臨界点突破した幼馴染を前に、俺の脳は完全にキャパシティーをオーバーし何故か絵里の可愛いさにキレていた。
「大和。朝から女性をそんな風に見るもんじゃないぞ。いいからお前も絵里ちゃんの作った朝ごはを食べなさい」
忘れていた、この場に親父がいるということを。ていうか
「ていうか帰ってくるなら、先に連絡しろよ」
普段放任主義のくせにこういうタイミングわざわざ帰ったくんなよ…
「なにぶん急にここの地方自治に出向かなければならなくなってな。どうせなら、不肖な息子の様子を確認しようと帰ってきたら今朝方に絵里ちゃんと会ったんだ」
で今にいたると、ていうか親父絵里のことみてもあまり驚かないんだな。でもこの偏屈な親父の事だから警察とかに連絡されそうだ。それは面倒だからどう説得したものか。
「そんなに気にせずとも、どこかに報告などしないぞ」
当たり前のように俺の考えを読んだ親父はそういった。どうやら俺の杞憂だったらしい。
いまだに、話に参加しないで惚けていた絵里が思い出したように言った。
「そのかわりに私の存在をみだらに広めない事が条件だって、さっきお父様に言われたの」
なるほど。バカな俺が考えずとも、もう話はまとまっていたのか。
「その条件だと学校は無理そうだな……そもそもお前が来たら大パニックになるか」
「当たり前でしょ!………それに行方不明になったのは私だけじゃないみたいだし…」
確かにそうだ、この田舎どころか世界中で発生した謎の大地震、世界震行方不明者は約7万人にと言われている。その中にはもちろん花畑園のみんなも含まれている。
暗い雰囲気になったのを察したのか親父が軽口を言ってきた。
「じゃ私は仕事に行くよ。大和、いくら絵里ちゃんが帰ってきたのが嬉しいのはわかるが、襲ったりなんてするなよ」
「バ、バカ野郎!いくら俺でも絵里にそんなことしねぇーよ!」
「ちょっと大和!今のどういう意味よ!?」
俺の言葉を勘違いした絵里が俺に飛びかかってくる。って馬鹿どこ触ってやがる!や、やめろーーー
それ以上は……それ以上は……お婿にいけなくなるーー!!
「なんで逆にお前が俺を襲ってんだ!!!」
「うるさい!喰い殺すわよ!!」
そんな光景を懐かしい目で見ていた親父は、綺麗な背広の上に使い古したコートを羽織り仕事に出かけた。
ーー●○●ーー
あの後、朝ごはんを食べた俺は絵里の見送りを受け、通学路である人通りの少ない田んぼのあで道をを歩いていた。
いつも通り何もない風景が広がっていると思っていたら、目の前のドブ川みたいなところで、ザリガニ釣りをしている奇怪な人物を見つける。
「なんだアレ……」
朝からザリガニ釣りをしているだけでもおかしいのだが、それよりも目を引くのは彼女の容姿だ。
日本人だろうが外国人だろうが絶対ありえない真紅の髪、何考えてんのかわからない整った顔立ち、そして何より驚いたのは彼女の大きすぎる身長だ。190cm近くあるぞ。
俺はあまりにも気になりすぎるその姿に、つい話しかけてしまった。
「なにしているんだ…ですか」
「ろぶすたーを捕まえてる」
「いやそれザリガニね」
容姿に負けず、発言も狂っている少女に思わずやる気のないツッコミを入れてしまう。
しかし俺はまだ知らない、この少女との出会いが俺の人生を大きく変えることを。
どうも蘭怒細胞です。
最近、久しぶりに走り込みをしたのですが、思いの外体がなまっていて。危うく捻挫しそうになりました。
ps
最近はプレデター買うか迷ってます。




