誰だって弱いところは、そりゃーあるよな。
ババアの衝撃発言のあと、俺はもっと詳しい事を聞き出そうとしたが、ババア自身も幼少の頃にこっちの世界にきて先代の花畑園の園長に保護されたため、俺たちに話した内容しか知らないらしい。
正直なところ、この摩訶不思議アドベンチャーな話をどう受け止めたらいいか自分でも整理できていないとういうのが現状だ。
「大和。ねぇーちょっと聞いてるの大和!」
「な、なんだよ。いきなり大声出すなよ」
「いきなりじゃないわよ。何度も聞いてたってのっ!」
と言いながら、そこそこ痛い肩パンを食らわされた。
あの話の後、絵里は一時的にババアの銭湯で寝泊まりすることが決まり。傷を受けたババアの身を案じてあの場はお開きとなった。その後家に帰る俺を見送りたいとのことで絵里がかってについてきているのが今の話。
隣を歩く彼女は178cmある俺とあまり視線の位置が変わらないくらいの女子の中ではなかなかな高身長で、スタイルも服のせいではっきりとはわからないが、年齢の割に発育がいいことだけは見受けられた。
「話を聞かない次は視姦かしら?」
そんな俺に視線に気づいたのか絵里がニヤニヤしながらいってきた。
久しぶりの幼馴染との何気ない会話に、つい俺は本音が漏れてしまう。
「いや、可愛いなって思って…」
露骨に顔を赤くした彼女もお返しとばかりにいってくる。
「は、はぁー!?何言ってんのよ!……そ、そいう大和だって…か、かっこよくなったわよ……」
周りに人がいたら胸焼けしそうな会話に気づいたいた俺たちは、赤面する顔をお互いそっぽを向き黙ってしまう。
色々あって忘れていたが、2年前死んだと思っていた幼馴染にいきなり再開して、今もこうっやて一緒に歩けていることが昨日までの俺からしたらどれだけ幸せなことか今更実感した。
そんなことを思っていると絵里が言った。
「私あっちの世界にいた時、今みたいな何気ない大和との日常ばかり考えてたの。隣に大和がいて、花畑園のみんながいて当たり前の日々を過ごせる、そんな事。…そう思わないと…もう一度みんなに、大和に会えると信じて生きていかないと正気を保てなかった……」
何か気持ちが決壊したように、その場に立ち止まり自分の胸の内を話し始めた。
「だからね、もし大和とこうしている今がまた私の夢でいつか覚めてしまうと思うと……とても切なくて切なくてどうにかなってしまいそうなの……」
さっきまでの明るい顔が嘘のように、絵里は怯え出した。
「…お、おい、絵里?」
「大和。私本当に帰ってこれたの?目の前にいる大和は本物なの?」
一体どれほどの経験をしてきたのか俺には想像もできないが、まるで自分の存在を確かめるように自身の腕で体を包み小さく震えている、そんな彼女の悲痛な姿を見た俺は考える前に体が勝手に絵里のもとへ動き絵里を抱きしめていた。
「大丈夫だ俺はちゃんとここにいる。もう二度とお前を一人にさせねーから。俺が絵里のこと守るから」
「……大和…」
理屈とかそういうの無しにただ絵里を安心させたい一心で俺は言った。
最初は驚いたそぶりを見せた絵里だが、今度は俺の存在を確かめるようにゆっくりと抱きかえしてき、今まで我慢してきたであろう涙を流した。
ーー●○●ーー
黙って横を歩く絵里に気を取られていると、いつの間にか家に着いていた。
横を向くと、さっきから黙っていた絵里が笑顔で話してきた。
「さっきの言葉本当に嬉しかった」
「おう」
「でも私より弱い大和がどうやって私のこと守るの?」
「え!?いや、それはあれだよお前、今から死ぬほど修行して目からビームとか出せるようにするんだよ!」
「ふふっ、何よそれ。少しみてみたいわね」
悪戯っぽく笑う彼女を見て俺は少し安心する。
「じゃー私おばあちゃんが心配だから帰るね」
「気にしなくてもあのババアはそう簡単に死にゃーしねーよ」
「そんなこと言ってるとまた怒られるわよ」
「ははっ、言ってろ。じゃーそろそろ家入るわ」
すっかり軽口を叩けるぐらいの空気に戻れたのを感じ今度こそ大丈夫だと思い、俺は家に入ろうとした。
そんな俺の背中に
「…大和!」
「どした。…ッッ!?!?」
呼ばれたので振り向くと、絵里は俺の頬に静かにキスをしてきた。
「な、な、何してんだ!?お前!?」
絵里はイタズラが成功した子供みたいな無邪気で少し赤くなった顔で
「おやすみ大和。また明日ね!」
そう言って彼女は逃げるように帰って行った
また明日…か
俺こんなに幸せでいいんでしょうか?教えて神様!
どうも蘭怒細胞です。
なろう素人なので投稿時間とかまったくかんがえずに投稿していたのですが、やっぱりそういうのって工夫した方がいいですかね?
ダメもとで聞いてみるんですけど、何時ぐらいがベストだと思いますか?
ps
最近歳の割に動かなすぎてお腹が減りません