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冬の寒い中で食べるアイスって、溶けなくて食べやすいね

アルと別れた俺はいつも通りの時間に校門をくぐる。

校門をくぐったすぐにあるテニスコートの中では、プリーツと呼ばれるミニスカートを履いた女子達が、健康的な汗をかいて朝練をしていた。

その短すぎる丈のスカートの中には、いわゆる見えても大丈夫なインナーがを履いており、彼女らがフォアハンドやバックハンドを繰り出すたびに、その御姿がチラチラといじらしく現れる。なぜ彼女たちは見えても大丈夫だと思っているのだろうか?男からすればスカートの中に何を履いていようが、それはパンティーと遜色ないというのに。

この眼福な光景をみていると後ろから、痛くないチョップが俺の後頭部に振るわれる。


「お前毎朝見てるな、そろそろ俺も同じ日を繰り返してるんじゃないかと疑い始めたぞ」


そういうと海斗は校舎の方へ歩き出したので、俺も後ろをついていく。

そんな彼が俺に呆れたような声で言ってきた。


「大和おまえはもっと紳士的に振る舞えば女子にも人気があるのに、ああやって女子を邪な目で見てるから【エロ狼】なんて呼ばれているんだぞ」


そんな俺のアイデンティティを奪いかねない事を親友は言ってきた。


「見ているんじゃない、勝手に視界に入っているだけだ!」

「お前それ、盗撮犯とおんなじ言い訳だぞ」


俺はさすがにそこまでしねぇーよ。


「失敬なやつだな!俺を変態扱いするのはやめてもらおうか!・・だいたいお前もチラチラ見ているの知ってるんだからな」


俺の発言に面白いぐらい、反応する海斗。


「!?・・大和ほどガン見してないだろ!」

「え、嘘本当に見てたの」

「お、お前ーー!」


自分で視姦行為を大声で暴露したイケメンは顔中真っ赤にして俺に殴りかかってきたので、俺は逃げこむように教室の中に入っていった。



   ーー●○●ーー


終業のチャイムが鳴った。

昨日の絵里の話を考えて、ぼーっとしていたらいつの間にか今日の授業は全て終わっていた。

部活をしていない俺は放課後はまっすぐ家に帰るか海斗とどこかに行くかしか選択肢が無いのだが、今日は珍しく先約がある。例の巨女の変人、アルに詳しい話を聞きにいくのだ。

俺は鞄の中の給食の入ったタッパを確認して教室をでた。海斗も今日は別の用事があるらしく俺よりも早く下校していた。


帰り道の途中、コンビニで飲み物を買った俺は店をでると怪しげな格好をした金髪の青年が、このクソ寒い時期にアイスをバリバリと食べていた。見た所外国人のようだ。

男は俺の視線にきづいたのかネイティブな英語で話してきた。


『君この写真の女の子っ知ってる?』


そこに写っていたのは今から俺が会おうとしているアルの物だった。とんだ偶然につい驚きそうになったが、男があまりにも胡散臭いので俺は白を切る事にした。


『さぁ、知らねーな。この子はアンタの恋人か何かなのか?』


一瞬驚いた顔をした青年は、不敵に笑い今度は流暢な日本語で返した。


「へぇー、日本人はみんな英語に疎いと聞いていたから馬鹿にしようと思っていただけど、そうでもないみたいだね」

「帰国子女なだけだよ、てか質問するなら相手に礼儀払ったほうがいいぞ…」

「ごめんごめん。ちょとした癖でね、ついやっちゃうんだよ」


悪びれたそぶりなど一切見せない青年は手元のアイスを食べきり、残った木の棒をゴミ箱に放り投げた。

そんな俺はアルを探していると言う彼から、彼女について教えてもらおうと質問した。


「で、この子は誰で、なんであんたはこの子を探しているんだ?」


そう聞くと彼はわざとらしく肩をすくめ言った。


「質問をしている立場で申し訳ないだけど、それは教えれないんだよね」

「そうかよ。じゃーあんたは誰なんだ?まさかこれも答えられないなんて言うなよ」


正直いきなり金髪の外国人に絡まれて緊張している俺は、少し強めに質問してしまった。

怒らせてしまったかと思い彼の表情を伺うが、逆に彼は俺を面白そうに見ているだけだった。


「僕はジークって言うんだ、よければ君の名前も教えてくれないかい?」

「・・・大和だ」


相手が名乗った以上こちらも名乗らないとバツが悪いと思ったため、つい本名を言ってしまった。

自己紹介がお互いできたのが嬉しいのか、彼、ジークは馴れ馴れしく肩を抱いてきた。


「大和くんか、日本人らしくていい名前だね。僕はしばらくこの町に滞在しているから、もし写真の女の子のことがわかったらここに連絡してね。別に何も情報を掴んでなくても連絡してね!ぜひ君とはじっくり話してみたいしさ」


そんな気持ち悪いことを言ったジークはメモに自分の連絡先を書いて俺に渡してきた。


「じゃー僕はもうちょっと聞き込みをするから、もう行くねバイバーイ」


最後まで軽薄な態度で消えてったジークに俺は思わず悪態をついた。


「いけすかねぇー奴……」







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