1話
書いてみたかったんや、異能力学園物
「よろしくお願いしますって、え?し、新城 灰斗!?」
「ん?あ、鈴鹿か。」
この日、俺の学園生活は一変した。
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その日も俺は教室で寝ていた。いや、正確に言えば、机に突っ伏して目を瞑っていた。単純にあまり眠くなかったし、周りの声がうるさかったからだ。いつもは気にしないのだが、その日は少し違った。なんと、編入生が来るようなのだ。まあ、俺には関係のない話だ。俺には誰も話しかけてこないだろう。特にこのような学園では、このような異能の強さが全ての学園では。なぜなら、俺はこの世界で最弱クラスのFランクだからだ。言ってしまえば無能。この、魔獣はびこる、異世界ガーデンと合体した地球で自分の身もロクに守れない無能だからだ。まあ、そんなもんだろと自分でも思う。誰が好き好んで自分の身も守れないお荷物と一緒に危険がいっぱいの世界に飛び出そうと言うのか。そんなことをする奴がいたら、俺はひとしきり笑ってから病院を勧めると思う。そんなわけで俺はボッチだった。せめて友達くらい欲しかったな…。
そうやって少し感傷に浸っているとこのクラスの担任が教室に入ってきた。
「おはよう、え~今日は、お前たちに1つお知らせがある。今日からこのクラスに新しく仲間が増える。入ってきなさい。」
ガラガラっと扉が開く音がすると、そこにはかなりの美少女が立っていた。足音も立てずに歩き、教壇に立つ。
「どうも、皆さんはじめまして。軍に所属している木野 鈴鹿です。これからよろしくお願いしますって、え?新城 灰斗!?」
「あ、鈴鹿。」
まさかの知り合いでした。
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休み時間になると編入生の美少女鈴鹿は、新しく入ってきた子に対しての質問攻めを無視し、俺のほうに向かって歩いてきた。すると鈴鹿は大声で、
「な、なんでこんなところに黄金なる羊帝とよばれるあんたがいるのよ!?」
なんて言うもんだから、クラスは当然うるさくなる。それも当然だ。なんせ、今まで最弱のお荷物だと思っていたものが、実は世界で一番強いものだと鈴鹿は言っているのだ。
黄金なる羊帝とは、異能のランクでも例外中の例外、Sランクよりも上だとされる、この世に10人ほどしかいないとされるEXランクであり、世界の守護者と呼ばれるEXランク集団の頂点に君臨する者だからだ。
「はぁ、お前がばらすのか鈴鹿。」
「え、ば、ばらすってどういうことよ、灰斗!?」
「俺はな、学園長と賭けをしていたんだよ。んで、その内容って言うのが『俺が黄金なる羊帝だということが卒業までにばれるかどうか』ってのだ。ばれなかったら、卒業後俺を学園長の家に住まわせてヒモになっていいって言うものだった。ばれたら、全生徒の前で講演だな。そんな俺有利の賭けで負けるわけないと思ってたんだがなぁ。まさかそんなところに伏兵がいるとは思わなかったわ。」
「え、あ、そうなの。」
「おう、じゃあ学園長とこ行くぞ。」
「え?な、なんで?」
「そりゃゲームが終了したことを報告しに行くからだろ。はぁ、講演とかめんどくせぇ。」
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