呼び出したのは
1週間が長いように感じる………。
あれ?そういえば……
呼び出し主誰だろう?
「おしゃかさま!呼び出し主って誰ですか?」
「聖女召喚した人」
「それくらい分かります!誰か知りたいんです!」
「君は頭弱いね。聖女召喚できる人なんて
あんまりいないんだから、すぐに見つかるでしょ」
「たしかに!誰ですか!知ってそうな人でもいいので!」
「えーーーーーー。めんどくさい」
「聖女ですよ、私!魔法とかとんでもない威力を持ってるんだからね!」
「麻生 夢」
「へ?」
「知ってそうな人。三番街のおっきなすげーめちゃくちゃものすごーーくだだっ広いお屋敷にいる」
とにかく、大きいのね。
(日本語がおかしすぎる…。めちゃくちゃものすごくって………)
「わかりました!」
三番街 麻生夢宅
本当に大きい……。
天国でも身分差があるのね………。
インターフォンを押す。
家中に鐘の音が響く。
これって、煩悩消すヤツと同じだ………。
「どちらさま?」
「あ、おしゃかさまからこちらに来なさいと
言われたので伺ったのですが……」
「ああ、シャカね」
あだな……。なにもの?
「ここで話すのもなんだから、中にどうぞ。
………と言いたいところなんだけど、
玄関までかなり遠いのよね………」
「どのくらいですか?」
「東京ドーム一個分くらいかしら」
「ここで話しましょう。私は構いません」
「そう?まぁ、そうよね」
「あの、どこかのご令嬢さんですか?」
「前世、でね。私はもう死んじゃったの」
「?」
「父が刑事をしていてね。
罪人たちから恨まれていたの。父の言うことは全て正論なんだけどね」
逆恨みってやつ?
「それで、私が殺されたってわけ」
「………」
「なんか、しんみりしちゃったね。
で、なんの用だっけ?」
「あ、聖女召喚魔法が使える人って知っていますか?」
「聖女召喚………?ごめんなさい、分からないわ。
私、この前死んだばかりだから」
情報もないし泊まる場所もなし、
しかも夢さん宅から帰る時の周りの目。
私の怒りは正直頂点に達していた。
「ちっくしょーーーーっ!」
そこら辺にあった血のついたトンカチで透明な地面がをぶん殴った。
「へ………?」
トンカチを持った手が、足よりも下にある。
サーッと血の気がひいた。
今、すっごい顔青ざめてるだろうな……………。
トンカチで殴った部分が、
割れている。
ひとまず、おしゃかさま!
「ごめんなさいっ!」
「ああ、穴?割ったんだーすごーい」
「へ?」
「いや、別にいいよ?
だって、麻生宅のわきにある路地裏でしょ?」
「はい……」
「ならいーよ。だって、あそこ麻生のモノだから。
私のモノじゃないなら別にどうなってもいい」
ゴミみたいなおしゃか様だな。
様をつけるのもイヤになるわ。
「そう…ですか」
おしゃかさまの店を後にしようとし、
外に出る。
「待った」
振り返ると、美形イケメン。
わかりやすくいうと、
『曇天に笑う』の曇天火をやっている『福士蒼汰』みたいな。
格好は曇天火で、顔と体は『福士蒼汰』
=イケメンくん。
『菅田将暉』ではないな。
『福士蒼汰』特急『菅田将暉』通過みたいな。
「天野小雪」
「なんですか」
「君、地面割ったよね」
「割りましたね」
「………」
「なんですかその顔」
「別に」
「……………」
「その顔だと、地面を割ったことの罪を知らないようだな」
「知らないですね」
「なら教えよう」
「イヤですよ。これから泊まるとこ探さないといけないのに」
「………………」
「……三分ですよ」
──あの地面は、割れるとワープホールとなる。
転移魔法みたいなものだ。
そして、転移される場所はワープホールがある場所と真逆の場所。
ここは天国だから、転移されるのは地獄だな。
見ての通り地面は透明だから、
知らずに誰か踏んだら一大事だ。
地獄側から乗り込まれることもあるだろう。
「………なるほど」
「わかったか?バラされたくなかったら、
オレのいいなりになれ」
「それは別に構わないのですが、
例え話が長くて五分だったのですが」
(例え話は省略しました)
「約束は三分でした。脅すのはあなたの自由ですが約束は守ってください」
「…………」
「あと、まず名乗れ。
私は威厳のある人しか言うこと聞きませんよ」
「秋月 リュウだ」
「わかった、リュウ。
寝床もリュウのところで寝かしてもらう」
「飯はお前作れる?家事全般任せたいんだが」
「家政婦ってことね。
家政婦を雇うよりもその顔なんだから
お嫁さんでもつくればいいじゃない」
「女は嫌いだ。うっとうしいし小賢しい」
「私も女よ?」
「わかってる。だが美人となれば話は別だ。
美人がイケメンに群がるようにイケメンも美人に群がるんだ」
「その言い方どうにかならないの?
群がるって」
「事実だろ。マンガやアニメじゃあんまり
イケメンは群がらないけど事実上、群がる」
「美人はいないの?」
「ああ。みんな地獄に落ちていった」
「世の美人から批判が来んぞ」
こうして、私の天国での暮らしがスタートしたのだった。
次回も一週間後くらいに更新します




