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テンプレってあったんだ・・・・・・

まことに、まっことに遅れて申し訳ございません・・・・。

『まあ、とりあえず分かった』


一騎は女神から一通りの説明を受け、理解する。


だが、しかし疑問に残るのは______


『でも、なんで今回は通信するんだ?』


やろうと思えば1回目にも出来たことなのだ。パスをつなぐ方法はともかくとして。


それ如何によっては前回の異世界攻略も楽だったはずなのだ。


まさか、女神の深遠なる思惑があるのか!、と一騎は固唾をのむ。


『今回は暇つぶしですからね』


分かっていましたとも・・・・・・。もう知っていたはずだ、この女神に期待なんてしてはいけない、と。


ってか、なんだ、深遠なる思惑って!この女神にあるわけねーだろ!


『・・・・聞こえてますよ。さっきから失礼ですね』


おっといけない、心の声も聞こえるのか。迂闊だった・・・。


女神が咳払いをして話を進め始める。


『前回とは状況が違います。それが通信()()()()()理由です』

『状況?』

『はい、前回あなたは、レベル1の状態でこの異世界にほうりこま、ごふん、召喚されました』

『おい、今放り込まれたって言おうとしただろそうなんだろ』

『き、気のせいです。で、レベル1の状態の時からこのように通信できていると、(女神)に頼り切りになってしまうケースが怖かったのです。そうなってしまえば、努力を怠り、戦うことすら放棄してしまうことすらありうるのですから』

『まあ、多少屁理屈っぽいがわかる。じゃあ今、通信できるのは、俺が十分強くなったからなのか?』

『そうですね。まあ、(女神)以上に強い人が(女神)に頼り切りになることはないですからね。暇つぶしというのも、おしゃべりする相手がいる、てことぐらいですから』


と、ここで脳内で会話するのを中断する。


「では、突然のことだが、貴殿らが呼ばれた理由について説明する」


みなさんお忘れのナイザール国王の言葉が脳内に響いてくる。忘れてない、・・・・よ?


長く脳内会話していた気がするが実質2秒程度しか経っていない。


「貴殿らにはある相手を倒していただきたい。そのために訓練を受けてもらう」


ここでみんなの思考が追い付いてきたのかざわざわし始める。


『これ、俺も来たばっかの時に同じこと言われたけど、よく考えてみなくても横暴だよな。勝手に拉致っといて、その上魔王を倒すために地獄のような訓練をしろってことだろ』

『まあ、こっちとあっちの世界では価値観が違いますからね。魔王を倒すことは命よりも大切な名誉だと思ってますからね』

『でも、前回のラームの国王には最終的に生きて帰ってこいってしつこく言われて送り出されたぞ?』

『それは、あなたが相当気に入られていたからですよ。彼、最終的にはあなたを娘婿にするつもりだったんですよ?』

『それは初耳だわ!・・・・ていうか、なんで俺の知らない情報まで知ってんだ?』

『あなたとあなたの周りを観察していればわかりますよ。会話こそできませんでしたが、前回もしっかりと観察してましたよ?』

『・・・まじかよ』


話が盛大に逸れた。そこで予想外にも


「その、私たちに倒してほしい相手っていうのは?」


俺の腕に掴まっていた由香がいち早く脳を再起動させ、ナイザールに質問した。


『おお、すげーな。こんな突然の状況なのに質問に答える余裕を取り戻すとか、俺なんか30分ぐらいフリーズしてたのに・・・』

『はい、胆力がすごいというか、肝が据わっているというのか。まあ、頭がいいんでしょうね』


やはり俺の幼馴染はハイスペックだった。


ここで、ナイザールの話に戻る。


「うむ、良い質問だ。それは______魔王だ」


まあ、わかりきっていた答えだ。


一騎にとっては、聞かされていた答えであり、2度目の経験で慌てることはなかったが、他の者はそうでない。


一気にみんなに戸惑いの空気が漂い始める。


「ま、魔王ですか?」

「そう、魔王だ。数千年に一度の災厄。世界人口の3割が犠牲になるとも言われている強大な敵だ」

「そ、そんな相手を私たちで倒せ、と言うんですか」


まあ、そう思うよな。俺も言われた時バカじゃねーの、って思ったからな。


「ああ、そうだ。貴殿らにはそれだけの力があるのだから」

「力、ですか?」

「力、と言っても色々な形があるが、まあ、個人差はあれど貴殿らは勇者としての力が顕現することになる」


『この辺は難しいからな、ちゃんと説明しないと理解できない』

『それは仕方がないことです。()()仕組みこそがこの世界の全てなのですから。難しいのは当たり前です』


世界の構造自体を説明することは難しいとナイザールも承知しているのか、省きながら話を進める。


「詳しい説明は後日することとする。そして、改めて、貴殿らには世界の救済者になっていただく。他ならないこの世界に住まう民の為、我らが神のお導きの下に」


そう言うとナイザールは一人の全身鎧の男を呼び出す。


「この者はザック・アトラムという。この国の騎士団長であり、ヨーシャク最強の戦士だ。そして、これから貴殿らの教育係にもなる。分からないことなどがあればこの者に聞くがよい」


鎧男がナイザールに紹介され、一騎達の前に出てくる。


「ご紹介に与りました、皆さんの教育係になるザック・アトラムです。若輩者で至らぬ点も多々あるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします」


お手本のようだ、と感じさせる挨拶をするザック。


紹介を終えたザックが後ろに下がると、ナイザールがしめくくる。


「では、いきなりのことで各々疲れていることであろうから、部屋で休んでくれ。部屋は一人一人個室でメイドもついておるので、何でも申してくれ」


100人近い人数に対しても個室を貸し与えられる王城の広さに普通に驚く一騎。


「では、訓練についてはザックに一任するので、彼の者から詳しい日時を聞いてくれ。それまで十分に英気を養ってくれたまえ」


それだけ言い残しナイザールは玉座を去って行った。


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