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プロローグ
勇気とはなんだろう。
幸せってなんなのだろう。
幸福とはどういう意味なのだろう。
希望とはなんだろう。
それらの言葉を表現する形とはあまりにも不可視だ
何故ならそれは人が勝手に生み出した残像にすぎないのだから。
人は幸せを掴むためにどれだけの命を費やしているのか。
人の寿命は短命でありあまりにも儚い。
努力をしても報われない者は報われることはない。
「ああ、また失敗した」
私は呟く。何度と何度も何度も。。。
終わりを迎えた世界で私は空を見上げる。
かつて青空が広がっていた空は酷く濁っていた。
いや違う。私の目が濁ってしまったのだ。
もう私の身体は限界だった。
逃げ出したい、けどまだダメだ。
私は世界を救わなければならない。
それが例え私一人であっても、全てを敵にしてでも私は戦わなければならない。
「…クア………ア…」
二人の名前を呼ぶ、だが返事はない。
目の前には血を流した二人が横たわっている。
肌に触れると冷たい。
これで何度目だろう。もう数えきれない。
あと何回で終わりなのだろう。
「…行かないと」
繰り返す何度でも、私は«白き魔王»なのだから