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レオンside 2

別視点キャラそれなりにいるのでせめて1ヶ月に1人ずつ とか出来たら良いのですが、、そもそもレオンが1番長いんですよね多分(・_・;


 


 あの日、母上の尋常ではない様子に急いで戻ってみれば「婚約者候補から外れたい、と言ってきましたよ。何があったのです?」と厳しい顔付きで詰問され自分の頭の中も一瞬真っ白になった。


ーとにかく会って話さなければと思った。


 そして、部屋に着くといきなり耳に入った彼女の呟きは自分の冷静さを失わせるに充分だった。

「もうここからの薔薇も見納めかな…」

 感傷に浸ったようのその声に猛烈な怒りが沸く。

 もう2度とこの城に来ないつもりか?

 俺がいない間に出来た好きな男と辺境にでも行くつもりなのか?

 俺がお前の成長を待つ間どんな気持ちでいたかわかっているのかーー?


 そんな心中を押し隠して声をかければ

 びくり、と彼女は声を震わせて振り向いた。

 年明けに見た姿よりいっそう美しく、大人びた少女ーーいや、もう淑女か。慌てて王族への礼を取る姿に複雑な心境が湧く。

 俺が知らないうちに大人になってしまったのか…?

ー以前は嬉しそうに走り寄ってきてくれたのに。

ーーもうその微笑みを向ける相手は別の者になってしまったのか?


 とにかく話をきこうと尋ねるも返ってきたのは「自分は候補の1人に過ぎない」「私には殿下の妃など務まらない」という言葉。

 それ以上ききたくなくて強引に唇でふさいだ。口付けをしたら止まらなくなってひたすら逃げようと足掻く彼女を抑えつけて唇を貪った。

深く、何度も。


 ー俺がどれだけこうしたかったか知っているか?知らないだろう?

 知らない彼女がバルコニーから飛び降りる、などと言いだしたら面倒なのでそのまま壁際までひきずっていってから、漸く手を放す。


 彼女は信じられないものを見る目で俺をみた。

それはそうだろう。

 彼女といる時はキスしたい とか抱きしめたい とかそんな感情を押し殺してひたすら理想の王子様を演じ続けた。彼女に警戒されないように、ーー彼女を傷つけなくて済むように。


 だが今のでわかった筈だ、俺がどんな風にお前を見ているか。


 僅かにとった距離を更に詰めようとすると、やおら彼女は逃げ出した。


 ーー逃げられる訳がないのに。

 ドレス姿の彼女の駆け足など、自分の早歩きであっと言う間に追い付く。

 あっさり腕の中に収まった彼女に逃げられると思っているのか?

 と通告すると彼女は切り返してきた。

 私はモノではない、自分にも意思があると。

 つまり自分の意思で俺を拒否してるという事か?


 先程唇を奪った時の感触。

 抱きしめた時に気付いたのは、既に充分女性の脚線を描いた身体つき。

今は腕の中にいるが逃げだそうとしている、愛しい少女。


 気が付けばベッドに押し倒していた。

 させるものか、俺から逃げるなど。

 許すものか、この身体を他の男に触れさせるなど。

 それがお前の意思だと言うのなら

 今、お前が愛した薔薇の見えるこの部屋で、全て奪おう。

そうして、自分の物にしてしまえ。

心の悪魔が囁いてそのまま声になった。

「なら、お前に与えられる道は2つだ。今ここで俺に抱かれてその既成事実を持って婚約者となるか、正式に婚約者となってから俺に抱かれるか。今すぐ選べ」


 冷酷に告げられた言葉に彼女は固まった。

 固まってるのを良い事に俺はそのまま抱こうとした。2度と逃げられないように、そんな思考すらままならないくらいに、俺との行為に溺れればいい。


 ーそうだ、俺の事しか考えられないようにしてやる。

 ーーそうなるまで、ここに閉じ込めてしまえばいい。


 首筋に自分の物だという印をつけ、胸元にも同じ印を付けようとした刹那、彼女が悲鳴の代わりに告げたのは。


 3ヶ月、という言葉。


 昂ぶっていた熱が一瞬覚まされる。

 どういう意味だ?まさか懐妊してるとでもいうのか?もう別の男と…

 固まる俺に彼女が告げたのは3ヶ月だけ待って下さい、という言葉。

 自分は逃げない。そしてその3ヶ月後には俺の言う通りにするから今は止めてほしいと。


 今日会ってから一度も目を合わせない様に視線を逸らしていた彼女が自分に向けた眼差しに安堵する。

 ーー変わってない。人の奥底まで見透すような透き通った黒い瞳。彼女の14才の誕生日に帰国してからはどことなくよそよそしくてこんな風に見つめてくる事がなかった。

 だから余計不安だったのだが…、

 彼女は自分の決定に従うと言った。つまり、婚約を受け入れるという事だ。

ーそれならいい。

どうせ俺の物になると言うのなら。

そう考えて、僅かに乱れた胸元に視線がいきまた押し倒したくなる衝動をどうにか抑え込んだ。



 冷静さを取り戻すと、彼女が脅えてるのに気がつき距離を取る。考えてみればさっきのキスといいベッドでの反応といいーー経験があるとは思えない。3ヶ月の意味はわからないがどうやら杞憂だったらしい。


それと、彼女の「殿下の決定が何であれいうとおりに致します」という言葉ーー

 ーーねえセイラ、その台詞、、取り消しはきかないよ?



読んで下さってありがとうございます!

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