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悪役令嬢、ドラゴン帝国の皇太子と見合いする

ドラゴンてワードがきぐるみのくだりでしか出てきてないぞ?頑張れ私!

とここまで自分を叱咤して書いてきましたが連投はここで一旦終了します。

次話からはランダム投稿に戻ります。引き続きよろしくお願いします。

ブクマ&評価ありがとうございます!

 

 翌朝は早くにリリベルに起こされた。


「申し訳ありませんセイラ様…殿下が取り急ぎ大事なお話があると。お召し替えする時間がございませんのでとりあえずこちらを」

 と羽織り物を掛けられ、簡単に髪を整えられる。

 確かにこれを羽織えば肌は透けないがこんな姿のとこにいきなり訪問はあり得ない。

 よほどの異常事態なのだろうが、昨夜の今日で警戒心を抱かずにはおれない。

「私もそばにお付きしておりますので」

 なら安心か。



 ーーーきかされた内容は、安心もへったくれもなかったが。




「こんな時間にすまない。ーー今朝1番に、トラメキアの皇太子ルキフェル・トラメキアから君へ正式な婚姻の申し入れがあった」

「ーーは?」

 いつもココロの中だけで言う言葉が口をついて出る。

「これは確認だがーー、君は学園で黒太子と親しくしていたか?」

「いいえ。ほんの挨拶か社交辞令程度の会話しか」

 本当に、した事がない。

 どういう事だこれは?

「そうだな。隠密からの報告でも君達に全く接点はなかった。…何が目的だ?」

 昨日のパーティー会場にもいたが会話どころか目を合わせた覚えすらない。

 断罪イベントが発生した時まではいたのを記憶しているがあの後どうしていたか までは見ていない。

 それに、

 私とレオン様の婚約は、確定済み

 ではなかったのか?

 目の前のレオン様をみつめる。

 私の疑問の視線に気付くとレオン様は私の手を取って跪き

「誤解しないでくれ。昨日君に言った事は誓って真実だ。私は必ず君を妃に迎える。それに変更はない。ただ父上…国王陛下が」



ーーー

この世界には沢山のドラゴンがいる。

 そして、ほとんどのドラゴンは人にとって害獣だ。

 地の竜ソイルドラゴン

 水の竜ウォータードラゴン

 火の竜ファイアドラゴン

 そして1番厄介なブリザードドラゴン。

 文字通り地竜は大地を鳴動し建物を崩壊させるし、水竜は水害を起こし、火竜は人の住む地を焼く。

 氷雪竜はその3種の竜よりさらに巨大で、口から吐くブリザードはその竜達さえも凍らせる。

 人里には滅多に降りて来ないがごく稀に急に王都に飛来したかと思うと甚大な被害を与えて飛び去ってしまう。

 原因は不明だが、人間側も黙ってやられている訳ではない。

 唯一騎乗可能なドラゴンーーウインドドラゴンまたはノーマルドラゴンなどとも呼ばれるが風竜だけがあくまでごく一部の人間に限られる がーー竜の討伐において人間に協力する場合がある。この竜は波長の合った人間になら騎乗を許し竜達の討伐にその人間と共に赴いてくれるのだ。

 騎乗出来る人間は当然だが非常に数が少なくドラゴンライダー(騎乗出来る者)又はドラゴンマスター(騎乗するだけでなく指示した通りに人の救助に向かわせたりまでが可能な者)と呼ばれ、何故かそれは()()()()()()()()()()()()

 そう、文化水準的には他国に遅れているトラメキアが何故大国でいられるかというと数多くのドラゴンライダーを擁しまたその育成に長けているからである。

 いくら力ある魔法使いでも翼あるドラゴンには分が悪い事の方が多い。

 故に、どこの国でもトラメキアとは良好な関係を築いておかなければと下手(したで)に出てしまうのだ。

 そうしなければいざという時 協力要請もままならない。


 この国の国王が熱心にトラメキアの皇太子を招いたのはそういう事情あってのことだ。

 トラメキアの皇族は特にドラゴンに強く皇族には必ずドラゴンライダーないしドラゴンマスターが生まれる。

 ルキフェル自身ドラゴンマスターだ。

 他の竜は属性に応じた色なのに比べて風竜(ウインドドラゴン)は多色(風は無色だから当然といえば当然か)だ。一説には生まれた場所に対して保護色と言われるが実際の所は良くわからない。

 ルキフェルの騎乗する竜は漆黒だ。

 それ故漆黒の皇太子、黒太子と呼ばれている。


 一説にはトラメキアの初代皇帝は聖なる竜(ホーリードラゴン)の祝福を受けた娘を妃にしたといわれる。


 聖竜は伝説の竜だ。滅多に人前に姿を現さず、その聖竜が眼前に降り立ち祝福を受けた者は素晴らしい力を授かる。


 ーーーと言われている。真偽のほどはわからない。誰も見た事がないのだから。


 トラメキアの皇族はその子孫故ドラゴンの加護の厚い国と言われドラゴンマスターの生成地として名高くまたその育成方法は当然だが秘匿されている。

 特に高位のドラゴンマスターになるとドラゴンを狙い通りの場所に誘導する事さえ出来るらしい。


 ーーーその秘匿とされている方法の一部を教えても良い。

 私との婚姻が成ればより良い貴国との関係が築ける。


 そんな内容での申し込みだったらしい。

 レオン様との婚約は昨夜派手に発表されたがあくまで学内でのこと。

 正式なお披露目がまだなのであれば、何とか出来ないものだろうか?

 ーーというあちらの言い分に、国王陛下が飛びついた、らしい。

 それはわかる。


 ドラゴンの件はどこの国でも頭を抱える問題で流しの冒険者にドラゴンハントが可能な者なぞまずいない。トラメキアを通して出来るだけ腕の良いマスターかライダーを寄越してもらうのが1番早い。


 だが、黒太子が私に興味を持っていたとは思えない。いつだってつまらなさそうに、ごくたまに面白い見物(みもの)として、中立派と特権派の争いを傍観していただけで介入してきた事はない。

 興味を持ったとすればそれはーー

  ーー昨夜の夜会ではなかろうか?

「黒太子が興味を持ったのは、私ではなくレオン様なのではないですか?」

「それは私も考えた。だが外交上何度か会話した事がある程度で話がそう弾んだ覚えはない。…君の事を話した事もないし」


 レオン様にもわからないらしい。


 だとすれば。


「…単に面白がってるだけでしょうか?」

 現国王は中立の施策の次に、ドラゴンに対して有効な手段を得ようと躍起になってるのは誰でも知っている。

 為政者としては当たり前だが現国王はとくにその傾向が強い。何としても自分の在位中にこれを攻略しようとしているのだ。


 そこにドラゴンの秘密を教えてもいい

 

 などと持ち込めば飛び付くのは目に見えているしあの黒太子ならやりかねない。


 ーーーと思う。


「今日は元々黒太子の帰国の為の夜会が開かれる予定だったのだがーー帰国を延ばしたい と言ってきたんだ。だが夜会は少し形を変えて行う事になった」

 黒太子は夏休みが始まるのと同時に帰国する予定だったのはセイラも知っている。

「昨夜の祝祭がラル達のせいでまともに行えなかっただろう?黒太子は元々自国で済んでいるのだから気にする必要はないんだが。その仕切り直しとお詫びも兼ねて学園の祝祭と似たような形で今日王宮で行う事になった」

  …それって…

 嫌な予感が頭をよぎる。


「黒太子はそこで君と話したいそうだ。昨夜そうしたかったのだが出来なかったからと」

ーーーで、次の展開に行くわけですが。正直ここまでかかるとは思っていませんでした(^^;;

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