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正反対

 とりあえずということで、俺たちは一旦謎の少女がいる家へ足を踏み入れた。


 何故妹が謎の少女と同じ顔の少年・キラを連れているのか、そういった経緯とどうやら俺だけ出来ていない状況理解のためにちゃっかりと隣に座る少女をはさみ、それは始まった。


 そして、俺はのちに後悔をすることになった――。
















 「えっと、お前はなんで家の中に居たの?」


 「お前じゃないですよ、婿様。僕はルル・シフォンリーと申します。以後ルルとお呼び下さい」


 そう言ってルルはにこりと笑った。


 あれ…?


 今聞き間違いかこのルルと言う少女、自分のことを『僕』と言わなかったか。


 こいつ、女だよな…?


 いや…でも、まぁ最近は女でも自分のこと『僕』って言う奴も中にはいるからな――。


 俺の中で、少女の一人称『僕』について早くも結論がつき、俺は納得がいってひとり頷いた。


 だが――…。


 それはまだ、早かった。


 「あ。判ってるとは思うのですが誤解されてたら嫌なので、一応言っておきますね」


 「?何を」


 「あははー。兄さんったら判ってないなー…んー?それとも当然のように判ってるから、そんななのかなー」


 俺とルルの向かいに座る雛菊が眉を下げて笑う。


 「だから、何が?」


 俺には言ってることがわからなかった。


 だけど、次のルルの言葉で俺にもそれがよく…よぉぉっく理解できた。

 

 「僕は男の子ですよ♪もし、ちゃんと判ってくれていたらすみません」


 そう言ったルルの顔はすごくいい笑顔にふちどられていて。


 俺の頭は数秒、フリーズした。


 しばらくして、『僕は男の子です』と言ったルルの声が頭を反芻しだし、俺はそこでこの目の前の愛らしい子供が少女ではなく少年であることを改め、そして認識した。


 自分を満面の笑顔で仰ぐルルが眩しく映った。


 「兄様!それはいくらなんでも失礼すぎますよ!ねぇ、遥様」


 「ぇ…?ぁ、あーえっと…」


 「あっはー!キラちゃん、ナイスだねー」


 「へ?え、あ、う。――ということは…。す、すみませんッ!!そんな、誤解されているだなんて思わなくて…」


 「やはり誤解されていたんですねぇ。僕で女だと勘違いなさったのなら、きっと僕の妹であるキラのことも勘違いされたんでしょうね。キラは女ですよ?」


 そっちもですかっ?!


 ――今、俺にはこいつ等がさっぱりだと言うことだけがよく理解できた。


 本当一体なんなのだろう…。

 

 


 


 

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