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予兆の夢

 それは突然だった――。









 


 誰かが俺を呼んでいた。


 「…はるか。はる…か」


 俺は声のする方向を振り向く。


 「……」


 そこにいたのは俺と同じ歳くらいの嬉しそうな笑顔を咲かせている少年。


 …誰だ?お前はどうして俺を呼ぶ…?


 少年が俺に歩み寄ってきた。


 「遥、遥…。遥、僕は…――」


 少年は俺の右手を握って、俺を切ない表情で見上げ、俺の名前を何回も呼ぶ。


 その一言一言には、何か簡単に受け流してはいけないような響きがあって、俺をその場に縫い付けて放さない。


 少年が発するのは俺の名前だけで、それ以外を発しようとすればその声は自動的に何かに掻き消される。


 「遥」


 少年がまた呟く。


 俺は何も答えることが出来なかった。


 どうしてか、声を出すことが叶わなかった。


 そして、俺はあることに気づく。


 この少年は俺の名を心底愛おしそうに呼ぶのに、こんなにも側にいるのに。


 俺を見ていない。


 俺を通り越してどこか遠くを見つめているように、俺には映ったのだ。


 そのことに気づいたら、儚げな表情が俺から離れていく。


 俺の後ろから吹き抜けてきた風によって、一瞬にして掻き消えてしまったのだった。


 それを呆然と見守ったあと、ゆっくりと瞳を閉じれば、俺は現実に引き戻されていた。







 ――そして、出会いは突然やってきた。事は夕方、何の前触れもなしに起こった。


 俺の人生を左右する出来事が、作動しだした瞬間だった。

 『可笑しな人』で続くかもと言った話です。設定はかなり変えてますが、一応可笑しなシリーズとします。


 相変わらず浮気性です。なかなか最終回を迎えられない物語を溜め込んでいるのに、また新しく作ってます。


 出来れば、どうか根気強く最終回が来るときまで付き合いくださいませ。

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