地方創生ってホントは地方分権を潰すために在るんじゃ
以後、用語を本来の意味で使っていかないかも。
即位式典に現れた悪役令嬢さんの反論が始まります。
貴族領はそれぞれ異なる問題を抱えており、中央が一元管理するとかえって非効率な統治となってしまう。よって『地方分権』こそ王国がとる道ではないか。王妃の案と自分の案、どちらが良いか皆んなで考えよう。
「よって地方創生委員会を立ち上げ、議論しましょう」
あくまで中央の管理でありながら、地方の意見を聞くために領地持ちの貴族が参加する会議。ぶっちゃけ、王妃の面子をたてて中央集権を骨抜きにする提言であった。
領主たちは揃って賛成したため、名をヒロインさんが、実を悪役令嬢さんがとる形でこの場は収まる。
ヒロインさんと取り巻きのたちは口惜しそうだ。
しかし、中央集権も地方分権もどちらももっともらしい理屈があるから困るな〜
そう悪役令嬢さんに言ってみる。
「時代によって、国の状況によって、それは変わりますからね」
あなたは地方分権が今は正しいと?
彼女は困った顔をして言った。
「本来なら中央集権体制をとるべきでしょうね」
え? じゃあ何故あんなことを・・・
「彼らにこの国の未来を任せるのは不安なのです。しばらく様子をみます」
様子をみて良ければ?
「その時は協力しましょう。おもしろくはないですが・・・」
やはり彼女は尊敬できる人です。
20年後、宿命のライバルの二人は、
片や、『たった独りの先進国』
片や、『空気を読まない統治者』
と呼ばれることとなる。