夢のまた夢・是非もなし・幼馴染お前もか
サブタイトルは内容と合ってません。変更するかもです。
「どういうことだ」
「堅物くん、どうして裏切るの?」
叫び声を上げているのは、俺様とヒロインさん。二人は武装した兵に囲まれて連行されてようとしています。
「ヒロインさん。私は貴女に夢とそれに向かって努力することの素晴らしさを教わりました。でも、そのために国を滅亡させるところでした。夢から目を覚ます時がきたのです」
堅物は二人をある屋敷に隔離しました。そして、重臣たちを集め、俺様王の退位と国を救った弟大公を新たな王へ即位させることを認めさせました。
こういったクーデターで王の交代を行うと、重臣たちの権力が強くなりすぎ、新王が傀儡となる恐れがあります。しかし、重臣のまとめ役の堅物が宰相から退き、悪役公爵家が専横の抑え役となりバランスをとっていくようです。
新王の即位直前、事件が起こりました。
俺様とヒロインさんが監禁されていた屋敷が襲撃されたのです。襲撃者は二人が王都を逃げ出したことで大きな被害を受けた、兵士や都民の集団だったようです。
俺様はうまく逃げたようでしたが、ヒロインさんは捕まり広場まで連れて行かれ、公開処刑されました。
もちろん不法行為です。
治安維持隊が出動しましたが、暴徒たちは逃げたあと。そこには首のないヒロインさんの遺体が残っていただけでした。
噂では、ヒロインさんは最後に、
「私は間違っていない! 間違っているのはこの世界のほうよ!」
と叫んだと云われています。
ヒロインさんの死を聞くと堅物は毒を煽って自害しました。
俺様は、
「俺は悪くない。ヒロインのせいで道を誤ったのだ」
と見苦しい言い訳をして、クーデターに同情的だった者たちを呆れさていました。
彼は病気療養の名目で、一生幽閉されることとなるでしょう。
ロリコンはどうしたかって?
ああ、彼は数年前に死んでいます。
学園長という立場にありながら、女生徒に手を出し孕ませてしまったのです。そのくせ責任取らないとかふざけたことを言っていたため、その女生徒に刺されたのです。
「せめてもう一度だけ、ヒロインさんと一夜を過ごしたかった・・・」
そう最後に言ったとか、言わなかったとか。
ともかく、これが乙女ゲームのキャラクターたちの末路です。