軍の近代化・・・よく見かけるが、なにをどうすると近代なのか誰か定義を教えてくれ
「軍といえば、近代化! まさにチートの見せ所でしょう!」
えーと、いま現代ですよね。近代は少し前の時代ですから、軍のあり方を古いものに代えるのでしょうか? まあ多分、僕の見当違いなんだろうけど・・・
『第1の改革、軍の内部では身分制度は廃止』
まあ命に関わりますから、優秀な人が上司のほうがいいですね。
『第2の改革、常備軍の創設』
徴兵などで右往左往することなく、一年中すぐに動かせる軍で早期対応できます。
『第3の改革、戦闘技能を向上させる』
敵に遅れを取らぬよう、常備兵は剣術など平時から訓練が義務付けられます。
『第4の改革、主力は騎馬隊』
歩兵から馬に乗って戦う戦術へ移行し、高速移動で敵を圧倒するようです。
僕は領地に一時帰還。ついでに悪役公爵領へも行きました。
「成功すれば、わが国の軍は世界最強となるだろう」
といちおう理解を示す王弟大公。
うーんとなにか思案中の悪役令嬢の旦那さん(そういえば初登場ですね)は、どこか納得いかない様子。
「近代化? 常備軍といえば信長よね。近世化なんじゃ・・・いや、鉄砲もないのだから中世なのかしら?」
なんか悪役令嬢さんがヒロインさんみたいになってる〜
ちなみのわが軍は大まかに次の6つに分かれている。
近衛騎士軍・中央軍・北方軍・西方軍・東方軍・南海軍
悪役令嬢さんのお父上の公爵閣下は東方軍のトップです。僕も本来は東方軍に所属するのですが、ヒロインさんに王都まで呼び出されることが多くて、軍の演習にはあまり参加してません。
ふうと悪役令嬢さんのため息、どうやらツッコミの独り言は終わったようです。
「ヒロインさんの方針は分かりました。でも東方軍は別の改革を実施しますわ」
そうですか、やっぱりですか。
またヒロインさんたちに怒鳴られますよ!
しばらくすると、東方軍の動向が伝わってきました。
「どういうことだ!」と俺様
「東の安全保障に穴が開きます」と堅物
「時代遅れだよね」とチャラ男
「国を守る自覚に欠けています」とロリコン
東方軍の内情は次の通り、以下 悪役令嬢さん曰く
「軍内部でも身分制度は当たり前でしてよ。平民は貴族に従っていればいいのよ」
「兵農一体をご存じないの? あなたたちは常備軍などという上等な立場ではないのよ。普段の食い扶持は、自分でなんとかしてくださいまし」
「剣を持っている暇があるなら、クワを持って田畑を耕しなさい」
「主力はこれまで通り歩兵でいいでしょう。馬ってなんか臭いし、売っておしまい!」
そう言って東領のいろんなところでバカイモと「米」と呼ばれる新しい穀物の田畑の開拓を兵士に行なわせています。反発した騎士を粛清し、不満を言う者は容赦なく更迭したり、罰したりする徹底ぶり。
ここにいたり俺様王は悪役公爵を東方軍のトップから外す決断をしましたが、
「お待ち下さい。それはなりません」
待ったをかけたのは、堅物の父親である宰相閣下です。
「何故ですか、父上!」
「愚かな、分からんか! 悪役令嬢殿は国境を接する東国の王族を婿に迎えているのだぞ!」
そうです。悪役公爵を更迭して、別人を東方軍のトップにしてしまうと、東国に侵攻の意思ありと受け取られる可能性があるのです。
「ホント、いまいましわね〜。日本人だった頃の平和ボケ意識をいつまで引きずっているのよ」
とヒロインさんはあきれ返ります。そして、
「なんじ平和を欲さば、戦への備えをせよ!」
なにやら名言ぽいことを言って締めくくりました。
そして、20年後
わが国は、北国・西国連合軍と戦争に突入しました。
もっとネタはありそうですが、終幕へ向かおうと思います。