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第一話

◎◎◎捏造論文



◎ 第一話


 ある日ある朝、薬子は都内の厚生労働省のある一室にいた。別にどうってことのない小さな事務室である。

 例によって史眼しがん曰く。

「今度は裏の仕事だよ、薬子は好きだろ、こういうの」

 史眼は薬子に大きな封筒を渡す。

「ニセの薬剤師免許証とニセの身分証明書、それとニセの住居などもろもろの用意のための資金」

「ということは潜入捜査ね? どこ?」

「例のアマクナーレ」

「わかった、ゼット製薬なのね!」

「そうそう、それだ。例の捏造文献な。あれでゼット製薬の株は約半額になったぞ。実はおれも持っていたんだけどな、五千株ほどだったが、畜生ってなもんだ。死人出ただろ、あの一件」

「私は何をしたらいいの?」

「真相解明な、できるだけ早い方がいいな、頼んだよ」


 史眼は涼しい顔をしてこともなく言ってのけた。だが薬子は簡単に言ってくれるよな、と思った。だが断らなかった。彼女もまた今の夫、藤原彫須ふじわらほりすと一緒で変化を好む気質だ。こういう仕事が嫌いではなかった。

 前夫である史眼は、医薬業界監査を牛耳る裏のボス、今の夫は公安関係、現在の自分自身の仕事は隠密薬剤師!  ああ、我が数奇なる人生よ! 薬子はこういう自分にあきれている。だが好奇心旺盛なために危ない道でも平気で首をつっこんで生きていく……。


 さてこのゼット製薬だが。





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