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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第四章 とりあえず何かしてみる

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第五十九話

「なぁ、俺たち今……何してるの?」


「監禁されてる?」


「……誰に?」


「家?」


 うん、意味がわからない。

 この会話を第三者が聞いたとしたら、大半の人は何を言っているのかわからないとは思うが、それは当然の反応だ。

 なんせ、


「俺も何が起きているかわからないからな!」


「何だかお兄ちゃんノリノリだね!」


「ノリノリだよ! ノリノリにもなるよ! 主に現実逃避的な意味だけどな!」


「えへへ」


「えへへ……じゃねぇえええええええええええええええええええええっ!」


 現在、俺とミーニャが居るのは自宅の地下にある地下室。

 俺がここに来るのは初めてなのだが……というか、この家に地下があること自体知らなかったのだが、とにかく俺たちは今ここに居る。

 そして、見事に閉じこめられている。

 

 というのも、俺たちが地下へと続く階段を降り、その先にある扉を開いて炬燵を収納しようとした際に発生した事件が全ての原因だ。


「まさかあんなことになるとは思わなかったんだよ!」


「だからってな、あんなところにガラクタ置いとくなよ」


「ガラクタじゃないよ、お兄ちゃん!」


 関係ない、ガラクタにせよそうでないにせよ、アレのせいで俺たちがここから出られなくなったのにはまるで関係ない。


 そんな事を考えながら、俺たちがこの部屋に入った数秒後に起きた事件を思いだす――というか、そんなに深い話ではない。

単純に言ってしまえば、地下へと続く階段の踊り場に乱雑に積まれていたガラクタが、タイミングの悪い事に俺がたちが部屋に入った直後、大崩落を起こしたのだ。


 結果として、この部屋のドアは開くなった。


「鬱だ……」


 おまけに、どうやらこの部屋にはとても大事な物があるらしく、ミーニャの師匠にして魔王、さらにはリンの姉狐でもあるマオに頼んで、特殊な結界を張ってあるらしい。


「なぁ、本当に魔法使ってどうにか出来ないの?」


「ん~無理だよ、この中では普通の女の子と変わらない力しか発揮できないかな」


 やはり鬱すぎる。

 まさか炬燵と一緒に俺たちもしまわれると思わなかった。


 とにかく今は脱出手段だけを考えよう。


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