表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第三章 とりあえず傷心してみる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/155

第四十三話

「何やってんの、お前?」


 何とか自力でバーベキュー場に付くと、


「あ、お兄ちゃん達遅いよ! 早くしないとお肉焦げちゃうよ!」


 バカが居た。


「お、お前な……」


 本当にバカだ。

 もうバカすぎて何も言えない。


 まぁこいつは仮にも俺の妹なので、あまりバカバカ言うのはある意味で自分もバカにしていることにもなりかねないため、例え本当にバカだとしてもそこまでバカバカ言わない事にする。

 と、心の中でバカをバカバカと罵るのをグッと堪え、バカ……もといミーニャへと問いかける。


「お前、何してるの?」


 するとミーニャは「何が?」とでも言いたげに首を傾げ言う。


「普通にバーベキューだよ?」


「…………」


 いかん。

 ミーニャは本当に何もわかっていないようだな。

 自分の行動の何が問題なのか。


 俺は心の中で散々ためを作ってから、一気に言葉を解き放つ。


「お前言ったな!? 俺たちに待っててって言ったよな!? なのにどうしてここに居るの!? 何で一人でバーべキューしてるの!?」


「おぉ! お兄ちゃんがツッコんだ!」


 嬉しそうに言うミーニャだが、俺としてはまるで嬉しくない。

 この世界に来てから、なんだかツッコミを入れる頻度が高まった気がする。

 完全に俺という人格が崩壊して来ている。


 俺がガックリと疲れ果てているのに気が付いたのか、リゼットが続きを引き取ってくれる。


「それでミーニャ様、どうしてお一人でバーベキューを?」


「あ、うん……実はここについたらデッカイ龍が居てね、そいつと戦っている間に忘れちゃった!」


「っ! 龍は倒したのですか!?」


 と、突如ぐいっと食いつくリゼット。


「もちろんだよ! お肉のラインナップに龍の肉も追加されたよ!」


「素晴らしいです、さすがミーニャ様です!」


「えへへ! 頑張って切り分けたよ!」


 わかった。

 些細な事でイライラしていた俺こそが本当のバカだったのだ。と、二人のほんわかしたやり取りを見ていると思ってしまうから不思議だ。


 まぁ実際、今はぶすぶすと焼け、唯の食用肉と化した龍と戦っていたというのなら、かなり重大な仕事をしていたわけだし、俺たちも迷わずに到着できたのでさしたる問題はないだろう。


 にしても、


「龍――ドラゴンか、一回くらい戦ってみたいな」


 とかいうと、なんだか某漫画のバトルマニアのようなので、実際は口に出さず胸の内で囁く程度にとどめるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ