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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第三章 とりあえず傷心してみる
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第四十話

「あれ、リンは?」


 それから数分後、改めて旅館のロビーに集まった俺たち三人。


 そう三人だ。


 集まったのは俺、ミーニャ、リゼットのみ。

 何かおかしくないだろうか、何か人数が足りないような気がする。

 いや、絶対に足りない。


 よって俺はもう一度だけ、ミーニャとリゼットに問いかける。


「あれ、リンは?」


 すると今度こそ俺の質問を聞きとってくれたのか、二人で楽しそうに会話していたミーニャとリゼットがこちら振り向いて言う。


「リンちゃんは来ないって!」


「は?」


「リン様は出かけるよりも、旅館の部屋にあるゲームで遊んでいたいとのことです」


「ゲーム? そんなのがこの世界にあるのか?」


「えへへ、お兄ちゃんが想像しているのちは違うけど、この世界にも似たようなのがあるんだよ! 夜になったらみんなでやろうね!」


「ん、あぁ。それは構わないけど……」


 リンはバカなのだろうか。

 と、俺はテレビ画面に向かってコントローラーを弄るダメ狐の姿を想像する。


 この世界のゲームがどんなのかは知らないが、イメージ的にはさして間違いはないはずだ。


「それにしてもあのダメ狐……」


 あんな無茶な方法で旅行についてきたくせに、結局部屋の外には出たがらないとは……いったい何のためについてきたのか理解に苦しむ。


「まぁまぁお兄ちゃん、リンちゃんはリンちゃんなりに楽しんでるんだよ!」


「旅行に来て、一人で部屋に閉じこもってるのが楽しいか?」


「楽しんだよ! ね、リゼットさん?」


「は、はい! 私もそう思います!」


 ミーニャに乗せられているだけのリゼットの意見は参考にならないが、実際そうなのだろうか。

 せっかくみんなで出掛けるのに、一人だけ引きこもっているのが楽しいだろうか――普段ならまだしも、今は旅行中なのに。


「まぁ悩んでいても仕方がない、あいつとは帰ってから遊んでやろう」


「そうだよ!」


「私もそれがいいかと思います。リン様はお兄様に懐いていますから」


 さて、そうと決まればする事は一つだけだ。


 俺はミーニャに向き直って言う。


「来る前に旅行プラン立てていたよな? なんかおすすめスポットでもあるのか?」


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