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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第九章 とりあえず起業してみる
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第百四十六話

「やはりこのままじゃダメだな」


 俺がどうして店主らしい扱いを受けないのか。

 よく考えてみれば……というか、考えなくても答えはわかりきっていた。


「目玉商品がない」


 言いかえれば、俺の店特有の商品がないのだ。


 現状、俺は店を手に入れはしたが、それはあくまで妹の店をそのまま使っているという、実にしょうもないもの。

 むしろこんなもの、俺の店とは呼べないだろう。


「おそらくミーニャもその事をわかっていて、体よく俺に手伝わせるために店を明け渡したんだろうな」


 そして俺はまんまとその作戦にハマった。

 やはりただで手に入る物ほど怖い物はない……その言葉に間違いはなかったという訳だ。


 俺は楽をして店を手に入れたばかりに、努力を怠ってしまった。店を手に入れた瞬間、そこで思考停止して働くだけの人間に成り下がってしまった。


 これでは違う。

 俺がなりたかったポジション……以前の世界で持ちえた物には遠く及ばない。


「どうにかしないとマズい」


 もうミーニャに店を譲ってもらったという事実がある以上、このままでは俺の評価がどんどん下がって行く恐れがある――なんせ他所から見たら、コネをフル活用して職をゲットし、大した努力もせず現状のポジションに留まっている人間……そう見られかねない。


「コネで職に就くのはいいとは思うが、そこから思考停止は流石にマズいよな」


 先ほどから無意識に何度も口に出てしまっているが、本当にマズい。


「どうするべきか」


 俺でなければ思いつけない商品。

 そんなものを作らなければ、俺は一生妹の下で働き続けることになるだろう――たとえ名目的には俺が上でも、事実がそうでなければ何の意味もない。


「どうすればそんな商品を思いつける」


 うーむ。

 俺が頭を抑えていると。


「逃げるなよな!」


「引っ張らないでください……鬼畜です」


 店の中を走り回った末、そのまま外へと駆けていく狐とオーク。


「ふむ」


 困った時はとりあえず、あいつの所に相談に行こう。


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