表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第九章 とりあえず起業してみる
144/155

第百四十三話

「よし、人員確保!」


 こういっては何だが、あまりもチョロすぎてリゼットは将来が心配になる。

 

 彼女は俺が先ほどの件を切りだすと、少し考えたのちあっさりと言ったのだ。


『よろこんで働かせていただきます』


 半ばその答えは予想していたが、一応理由を聞いてみたところ――お兄様と同じような行動をすることも修行の一環という事らしい。


 うん、よく意味がわからない。


 ようするにリゼットは、俺が誘えば何でも付き合ってくれるという事でいいのだろうか。

 チョロすぎる……というか、やはり将来が心配になる女の子だ。


 こっちの世界にあるかは分からないが、押し売りとかにすぐ引っかかりそうな気がする。むしろ、詐欺全般にすぐ引っかかりそうな気がする。


「まぁリゼットの将来が心配というのはおいおい何とかするとして、今考えるべきは店を出すにあたって最後の問題」


 すなわち。


「土地をどうするか、だよな」


 だが、これにはすでに解決策をいくつか見つけてある。


 その一 土地を買う。


 その二 土地を借りる。


 その三 屋台や露天のような事をする。


 おのずとこれら三つに絞られてくるだろう。

 しかし、最初に挙げた『土地を買う』はそもそも実現不可能な気がする――なんせ俺には致命的に金がない。


 日常生活に困らない程度の金はあるが、ちょこちょこ使っていたりするため、土地を買えるほどの潤沢な資金はないのだ。


 そうなってくると、候補は後ろ二つになってくる――土地をただで貸してくれる奴が居れば、一番いいのだが、さすがにそんな奴は居ないだろう。


 居ないだろう。と、俺が溜息を吐きかけた瞬間。


「お兄ちゃんが困っている気配がするんだよ!」


 言いながらガシっと俺に抱き付いてくる人物。


「…………」


 果たしてその人物こと、妹様は俺にとっての救世主になってくれるのだろうか。

 俺は人知れず瞳を閉じ、この世界の神様にお祈りするのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ