第百三十四話
「ならミーニャのところで働けばいいんだよ……前も言った気がするけど!」
「うん、だからそれはない……前も言った気がするけど」
「むー! お兄ちゃんはわからずやなんだよ!」
「まぁ最終手段には入れてあるから安心しろ」
「何だか納得いかないけど……それでなんだっけ? ミーニャがこのお店をやっている理由?」
「あぁ、何でこの店をやっているか……どうして開こうと思ったのかを聞かせて欲しんだ」
「どうしても何も……」
と、ミーニャは上半身だけ考える人のようなポーズでしばらく静止した後、言う。
「特にないかな!」
「特にないんだ!」
「うん、ないんだよ!」
「そっか、ないのか!」
…………。
………………。
……………………。
うん、まるで参考にならなかった。
まぁミーニャの事だから、ああいう答えも予想していたが、まさか本当にそういう答えが返ってくるとは思いもしなかった。
「いやほら、予想は予想でも『まぁあり得ないだろう』という方面の予想であってさ」
って、誰にいいわけしているんだ俺は。
にしても困った。
「これで店を開いている知り合いは全滅か……」
全滅も何もミーニャしか店をやっている奴は居ないだろう。というツッコミは置いておくとして、さてどうしたものか。
「順当に考えるなら、ちょっと街の中を歩いてみるか」
街にどんな店があるのか見て、この世界における店の需要を調査。
これが一番効率的な方法だろう。
「よっし、気を取り直して行ってみますか」




