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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第八章 とりあえず問題解決してみる
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第百三十二話

「お兄さん……遅かったですね」


「…………」


「どうしたんですか? 自分を不思議そうな顔で見て……ふぅ、寒いです。寒いので炬燵に戻らせてもらいます」


「…………」


 なんだ今の駄狐は。


 というか今何が起きているのだ。

 冷静になれ、冷静になって考えろ。

 こういう時は周りの意見も取り入れるのが重要だ。


「なぁ……お前ら、どうなの?」


「はい、急いで帰宅しましたら」


「氷が溶けてたんだよ!」


「しかも平然とお出迎えにきたわね」


 と、順々に状況説明をしてくれるリゼット、ミーニャ、そしてエリス。


 そう。

 急いで帰ったら家の氷は完全に溶けていた――しかもノックしてみたら、中から眠そうかつ怠そうにリンがご登場なさった。

 その第一声は――。


『熱かったり寒かったり面倒で鬼畜です……ふぅ』


 ふぅ。

 ふぅと言いたいのはどっちか考えてほしいものだ。


 炬燵の温度を上げた俺も悪かったとはいえ、家を凍り付かせた迷惑狐のために奔走した結果がこれだ。

 何事もなく無事に済んだのはいいが……。

 済んだのはいいのだが……。


「はぁ……まぁいいか」


「お兄ちゃんの対応が意外なんだよ!」


「いやなんかもう今日は疲れた」


 というかそもそも、俺は何をしようといたのだったか。


「あぁ、炬燵か……」


 そうだ、炬燵問題を解決しようとしていたのだ。


「…………」


 泣ける。

 たったそれだけの事に、これほどの時間がかかるとは――本当に泣けてくる。


「なぁミーニャ」


「なに、お兄ちゃん?」


「お前の魔法で炬燵の大きさ変えたりできないのか?」


「出来るんだよ! お兄ちゃん頭いいね!」


「…………」


 頑張ろう。

 そう思う一日だった。


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