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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第八章 とりあえず問題解決してみる
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第百二十六話

人数に対し、炬燵が小さい時どうすればいいのか。


 そんな場合の対処法は、自然といくつかに限られる。


 1:大きな炬燵を購入する。

 2:同じサイズの炬燵を買って、今ある炬燵の横にくっつける。

 3:人数を減らす。


 さて、この中から真っ先に除外すべきは3――人数を減らすだ。

 そもそも現実的ではない。


 この家の本来の住人は俺とミーニャであるが、現状を考えるにまるで説得力がない。何せ実際に我が物顔で多くの住人が存在するのだから。


 となると残るは1か2。


「……ふむ」


 まず2についてだが、炬燵を二つ並べて使うってありなのだろうか。

 まぁなしではないが、あまりやっている人は居ない気がする。


 次に3についてだが……そんな炬燵あるのか?

 炬燵っていうのは基本的に四人用で作られているはずだ――この世界の炬燵の基本概念がどうなのかは知らないが、そうなれば当然売っている炬燵も四人用しかないはず。


 まずい。

 当初は一瞬で解決する問題だと思ったが、考え出すと地味に難しい問題だな。


「という訳で、何とかならないか?」


 と、俺は色々考えながらやってきた魔王城の一室、この城の主――マオと向かい合っていた。


「何でそこで我が出てくるのじゃ」


「いや、お前すっごい魔法たくさん使えるんだろ? だったら今ある炬燵に魔法をかけて、大きさを変更したりできないかなーっとな」


「我は便利屋じゃないのじゃ! それにリンにやらせば――」


「マオ、よく考えろ」


「?」


「寒い。炬燵。出てる。リン。入ってる」


「な、なんじゃ? 何を言っているのじゃ」


「俺がさっき言った単語、それらから導き出される答えがあるだろ」


「寒い……炬燵……リン……っ!」


 ふっ、わかったようだな。


「一度炬燵に入ったが最後、我の妹はそうそう動くような奴ではないのじゃ……」


 そう、その通り。

 だからこそ俺はわざわざマオのところに来た。


「それで、何とかならないのか? もちろん俺に何か出来る事があれば、何でもやるつもりだ」


「でもおぬし、何だかんだいつも失敗するのじゃ」


「…………」


 何だろう。

 こういう時に『ぐはっ!』という言葉と共に倒れればいいのだろうか。


「冗談じゃ冗談……あとふと思ったのじゃが、ミーニャに頼めばいいのではないかの?」


「ミー……ニャ?」


 はっ!

 そうだ、あいつも魔法使えるのすっかり忘れていた!


「助かった、ありがとな!」


「う、うむ……」


 俺はマオの頭をポンポンと撫でると、急ぎ足で自宅に引き返したのだった。


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