第百七話
「いったい何をやっているのじゃ!」
「ご、ごめんなさいなんだよ!」
「さっきから謝ってばかりで、反省の色がまるで見えないのじゃ!」
「反省してるんだよ……で、でも」
「でもじゃないのじゃと、何度も言っているのじゃ!」
「……何度もじゃーじゃー言って、よく噛まないね。不思議なんだよ」
「おぬしは、本当に、何も反省していないのじゃぁああああああああああああ!」
…………。
………………。
……………………。
「私、嫌だぜ? あんなところに入って行くの」
「安心しろ、俺も嫌だ」
俺たち――すなわち俺とクーは現在、マオの城からミーニャの店へと戻ってきていた。
もともとはミーニャに文句を言うために戻ってきたのが、家へと上がってリビングにたどり着くと状況は一変した。
ミーニャがめちゃくちゃ怒られていたのである。
マオに鬼の様に怒られていたのである。
俺たちは部屋の中に入らず、廊下から扉越しに聞いているだけなので、詳細はわからない。しかし、わかった範囲で纏めるならばこういう事らしい。
オークを勝手に人間に変えるとは何事か。
「……城にもどらねぇ?」
「あぁ、俺も同じ事考えてた」
こうして、俺とクーはマオに見つからないようにゆっくりとミーニャの店を後にするのだった。
「さて、もうオークの件はどうにもならん……新しい仕事を貰った方が建設的な気がする」
というか、初仕事なのに大失敗してしまった。
鬱すぎる。
ホビージャパン様の読者グランプリのエントリー作品を読んだり、投票してくれた方……結果発表はまだですが、ありがとうござっしゅ!
これからもふにゃふにゃ頑張っていきますので、色々と応援よろです。