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異世界に行ったら妹ができた  作者: 紅葉コウヨウ
第六章 とりあえず対話してみる
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第百五話

「それでな、クー」


 俺が先ほど適当につけた名前(とりあえずオークだから『クー』にした)を呼ぶと、ベッドをトランポリン代わりにして飛び回っている幼女が、鮮やかに床へと着地……俺の前まで歩いてくると言う。


「なぁ、腹減っ――」


「また!? お前さっき食ったばっかりだよな!?」


「おう! でもあれから結構たったしな!」


「経ってねぇよ、まだ数時間もたってねぇよ!」


「えーっと……でも、あれから運動したしな!」


 運動。


 まさかこいつは、ベッドの上で飛び跳ねていたアレを運動だというのだろうか。

 トランポリンが運動ではない――そう言うつもりはないのだが、ベッドの上で飛び跳ねるのだけは、断じて運動ではない。


 確かに体を動かすという意味では運動だが、本質が異なっている気がする。

 そう、あの行為の本質は埃を周囲にまき散らしているだけ。


  という訳で、こいつが言っていることは全面的に無視。


「さっそく本題に入るが……」


「なんだよ、無視するなよな――わーわーギャーギャー!」


 と、何やら後半なんて言っているかわからないほど喚いていたクーを無視し、俺は伝えたかったことを伝える。


「お前さ……というかお前らオークって、もう少しまともに訓練したりとか出来ないのか?」


「無理だな!」


「即答!?」


「おう!」


 素敵な笑顔でサムズアップ。

 なんかイラッとした。


「少しは考えて喋れよ、お前絶対になんも考えてないだろ!」


「だったらなんか食い物よこせよな! 私だって女の子なんだからな!」


「関係ねぇよ! むしろ女の子は食い物食い物言わねぇよ!」


「あはは……ちっ、バレたか」


 バレたも何もない気がするのは、俺の勘違いだろうか。

 にしても参った、予想よりもこいつはアホだ。

 それだけは間違いない。


「んで? 何で無理なんだよ?」


「私が命令しないからに決まってるだろ!」


「命令って何、お前偉いの?」


「当たり前だろ! 私は族長なんだぜ?」


 そうかこんなバカが族長か。

 というか、だからこいつを人間にして話通じるようにしたのだった――すっかり忘れていた。


 ただ思う事は……。


「じゃあ命令しろよ、このバカ!」


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