第百一話
「大変だったね、お兄ちゃん!」
「あぁ、大変だったよ……お前がどっか行っていた間にこっちはすごい大変だったよ!」
「不貞腐れないでほしんだよ!」
「別に、不貞腐れてない」
ただ単に全力で疲れているだけだ。
現在、部屋の中に居るのは全裸の幼女とミーニャ、そして俺の三人。
あのダメ狐はそうそうに退場した。
別に俺が物理的に追いだしたわけではない、勝手に来て勝手に飽きて帰っていっただけだ。
まぁ、この城こそがあいつの本来の家なので、帰るという表現はおかしいかもしれないが……とにかく帰っていったのだ。
本当にあいつは何だったのか。
俺の精神エネルギーを消費させる以外に、何もしていかなかった――結局この全裸幼女が何なのかすらわかっていない。
だが後者についてならば、すぐにでも答えがわかるだろう。
そのために俺は待っていたのだから……こいつを。
「で?」
「もう予想ついてるはずなんだよ、お兄ちゃんなら」
まさか「で?」で伝わるとは――超以心伝心だった。
それはそうと、確かにリンと話している間に、うすうす俺はこの全裸幼女の正体に気が付きつつあった。というか、ぶっちゃけ最初から気が付いていたが、「そんなばかな」と確証を持てなかっただけだ。
しかし、ミーニャのこの言い様。
「まさか……こいつがさっきのオークなのか?」
あの豚みたいな容姿をしていたオーク。
それがこの幼女の正体なのか?
半ば確信に近い疑問を投げかけると、返ってきた答えはやはり――。
「正解なんだよ!」