プロローグ
「こんにちは、秋瀬くん!突然・・・・・・なんだけど、ちょっといいかな?」
「っ、月乃宮さん!?どっ、どどどうしたんですか!俺に何か用ですか!」
俺がそう言うと月乃宮さんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
月乃宮さんは学校でも注目の生徒の一人だ。おしとやかで美人で綺麗。そんな彼女に、えぇ!?俺何かしたっけ?と全力で脳内に思考を巡らせる――――――。
月乃宮さんは学校でも注目の生徒の一人だ。おしとやかで美人で綺麗なんだ
も、もしや俺が月乃宮さんを隠し撮りしてたのがバレた!?
いやちょっと待て、俺の脳内よ。確かに隠し撮りはした。でも月乃宮さんにバレないよう、
撮ってきた覚悟はある。と、すると何か別のコトか?じゃあ何だ一体!
でもこのシチュエーション、俺が思うにただ一つ。そう、告白だ!
俺は高校に入学した時からずっと、月乃宮さんのこと思い続けているであろうファンの一人だ。
だから本当に今から、月乃宮さんに告白されるのだとしたら俺はっ!俺はっ!
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!!!
「おわッ・・・・・・!!な・・・・・・ん・・・・・・だ・・・・・・。夢・・・・・・か。」
はぁぁー。せっかくいい所までいってたのに。
目覚ましのせいで俺はむなしく現実へと引き戻された。あぁ。
今日もまた、あいつのせいで学校がダメにされると思うと行きたくなくなる。
でもあいつと一緒に登校してるわけだし、俺が集合場所に来なかったらあいつは俺に電話をかけてくるだろう。
チャラリーン、チャラリーン。電話だにゃッ!電話だにゃッ!
こうしてるうちにあいつからかかってきた。あいつというのは月乃宮さんのコトだ。
「お~い?勇太。何してるのカナァ?遅いヨ。早く来なさい。じゃッ。」
ツーツーツー。
なぜ憧れの月乃宮さんと一緒に登校してるか。そもそも憧れの人を何故あいつ呼ばわりしてるのか。
それはこの先を見れば分かるだろう。