表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

俺の旅日記

作者: 慈眼 雪崩

俺はクール(?)な旅人。

旅をしているだけあって、いろいろな国に遭遇する。

ちなみに旅をしている理由は秘密だ。

なぜならクールと書いているだけあって、過去を秘密にした方が良いと思ったからだ。

だがここは一応過去を記しておこう。


思えば、俺の国も変わっていた。

儀式とかそう言うモノじゃなく、

ただ、俺の国には職業が無かったのだ。

お金と言うモノは存在しない。

適当に生きて暮らしているところだった。

それでも、秩序は乱れず、争いはなかった。

ところが、俺の親が他の国と物々交換をし始めたのだ。

後に、コレは貿易と言うモノだと分かる。

ソレで、見たことのない資源や文化が入ってきてしまって、

結局ここの文化と入り交じるような感じになって、

そこから争いが生まれてしまったって訳さ。

もちろんその後は他国との干渉を一切断ち切って、元に戻ってるらしい。

ついでに俺の親は殺されたよ。

ことの発端がソレだからしょうがないっちゃしょうがないんだけど、

とりあえずその国で初めて人が殺されたのはソレ。

で。

子供である俺は、罪には問われなくて、一人のままほっぽり出されて。

何もすることがないし、どうせあのままじゃ死んでいたと思うから、旅に出た。

…本当はあの国の文化が面白かったからだけどね。

他の国にもそんな文化があるのかと思って旅しているってのが本当。


コレが俺の過去。

なかなか面白い話だろ。

こんな国はもう滅多にないと思うからな。

今思えば良い経験したなって思うときがあるんだよな。


それで、いつまでも昔話じゃ面白くないから、俺の行った国の話をしよう。


まずはアレだね、


『戦争がないと生きていけない街。』


この国は、絶えず戦争をしていて、戦争がないといけないみたいな。

もちろん国民も納得しているらしい。

戦争があれば、武器も売れて、領地も広がって、奴隷も手にはいるからだってさ。

それで、こんなの言うってことはそんなに強いのかなって思ってたら、

国一番のお偉いさんがこっそり教えてくれたよ。

「実はそんなに強くない」って。

最初のうちは結構勝ててたけど、途中から負け始めて、

今じゃほとんど領地がない状態だってさ。


冗談だろ、単なる馬鹿だなこの国は。

そんなこと、心で思っていたよ。


「じゃぁ何で戦争を続けているのか」と聞くと、

「戦争で勝っていると言うことを聞いて喜ばない奴がいるか?

 我々の国はコレで秩序を安定してる。国民の活気もこれから来ている。」

だってさ。

なんか、面倒くさい話だね。

「この国はそのうち滅びるんじゃないかな。」

なんて呟いてしまったから、3日間拘束。

我ながら馬鹿なことをしたと思ったよ。

釈放されたらすぐにその国を出たよ。

もう2度と捕まりたくないしね。


いまじゃ本当に滅びてんじゃないのかな。

じゃぁ、次の国の話。


『あべこべの国』


この国じゃ、全てがあべこべに動いているんだって、

前に進むときは後ろに進んで、天気が良いときには雨が降っているなんて言って。

服装も上下、裏表、前後ろ逆だったし。

なんか説明をしている方が分からなくなってきたよ。

とりあえず、そんな感じの国だったわけ。

第一ズボンとシャツを逆に着るなよなみたいな感じだったけど。

まぁ俺は旅人ってことで、そんな変なことをしなくて良かったけど、

良いことをしたのに国民に馬鹿とか阿呆とかキモイとか、他にもイロイロあったんだけど、

とりあえず悪口(向こうでは褒め言葉らしい)を言われるのは五月蠅(うるさ)かったよ。

むかついてコッチも言ってやったら、何か照れられるし…。

本当、吐き気がしそうだったよ。冗談抜きで。

結局この国は2日で退場。


この国は本当に嫌だったよ。

なんか仕返ししたい。

『その国民に伝えたいことがありますか?』みたいなのがあったら、

とりあえず『最悪な国だった』って送りたいね。

手紙で書いても良いかもね。

あ、向こうじゃ褒め言葉になるんだった。

じゃぁ『最高の国だった』に変えるか。

……何か複雑。


次が


『人間を恥じる国』


この国の人たちは、自分が人間であることを恥だと思ってるらしく、

人間が生けとし生けるモノのなかで最下の生き物らしい。

だから、他の動物を傷つけたり、虫に当たったり、

ましてや殺したりしたら、神への冒涜ってことで、逮捕されるって。

そこで、間違って俺が蚊を殺したばっかりに2ヶ月の牢屋暮らし。

2度目の牢屋暮らし。

軽くショックだったよ。

前、「もう捕まりたくない」みたいなこと言ってたのにさ。

学習しろって、俺。


だから今、暇だからこうやって俺の旅日記をつけているんだけど…。

あまりにも、暇だ。

何か面白いことはないのか。

そう言えばさっき隣の牢獄の奴が脱出しようなんてほざいてたな。

でも俺は後1週間で出られるから、遠慮しとこう。

その人には悪いかもしれないな。運がなかったで遠慮してくれるかな。

ソレより、この牢獄の向かい側にいる奴が気になる。

いっつも牢の隅にいるから、姿形が見えづらく、話しかけることなんてもちろん出来ない。

見ていると、飯も食ってないことが分かる。

もしかして死んでんじゃ無いだろな。

腐敗していたりとか。

ソレだったらさっさと処分するか。

さて、そろそろ日も暮れてきて、日記が書けなくなるから俺はもう寝ようか。

明日の朝からでも、さっき見つけた、俺の牢にある蟻の巣でも壊そうと思う。

見つかったら何か言われそうだけど、暇なモノはしょうがないだろう。

それに『毒を食わらば皿まで』って言うし、

一度法律破ってしまったから、もう難でも言いっていう感じが出てしまって…。

とりあえず、早く1週間過ごすために寝ようと思う。

じゃぁお休み。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] すみませんが文章は月並みにも感じませんでした。 歯切れがよくないです。口語調で書くならば書き手の性格をもっと露骨に反映させたり、軽快さのような読みやすい要素が欲しかったです。 また、『キノ…
[一言] なんだかキノの旅を連想させる作品ですが、 偶然でしょうか? 文章は読みやすいですね。 ストーリーはオチも何もない気がしますが。 短編なのでこれはこれでいいかな、と思います。
2006/12/06 23:38 早瀬 沙織
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ