【プロットタイプ】君に感じて欲しい
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
瑠衣だって心配してるんだよ。
背中ぐりぐりだって、今回はただの暴力じゃないからね。
何かを焼き付ける時に、覚える時に、大抵スマホを使って話を書く癖がある為、写真を撮るのはあまり好きではない。だから私が写真を撮る時は、執筆をしている時間がない時が多い。
そして今日もそんな日だった。
床に腹ばいに寝そべって居ると、何時もの様に瑠衣が座布団にする。こうしている時は私と交流をする意欲がある、という事なので、本日あった辛いこと、苦しいことから話す事にした。
私の演技が友人相手にも通用しない時があった事。聞いて欲しい話を流されてしまった事。でも、私もきっと同じ事を誰かにしているという事。
話を聞いている間、瑠衣は黙って髪を撫でて来た。乱雑に、荒くれに。それでも瑠衣なりの気遣いなのは分かっていたから、暴れ回る事も叫ぶ事もしなかった。
そしてたまに遠回しな助言をくれた。瑠衣らしい、癖だった。
「話は終わり〜。退いて〜」
退く気配は無い。依然として私の腰の中心に腰掛けたまま。なんなら髪も撫でない。
「瑠衣たぁん、聞いてよ〜。午前中食べたケーキがめっちゃ美味し」
「おい……」
先程無視をしていた人間とは思えない程の俊敏性で、返答が来た。顔を見なくても分かる。滅茶苦茶怒っている。声のトーンは低く、ドスが効いている。
瑠衣はどれだけ怒っても髪を引っ張ったり、腹を傷付ける真似はしない。その代わり、私が心から嫌がらないギリギリの暴力を行う。頭に拳骨を食らわせり、頬を抓ったり、首根っこを掴んだり。そして今は背中の溝に指を立てる事だった。ぐりぐり、ぐりぐり、ぐりぐりと、ツボでも押すように、力を込める。
「しょうがないじゃん。さっきも話したけど『鏡花』を演じていたんだから。そ。でさ、これみてよぉ〜。断面ちょお〜綺麗」
私は本日撮った写真を瑠衣に見せる。
見せたのは本日食べたタルトとアイス珈琲。
タルトの半分はほぼ苺。苺は質が良く、爽やかな甘みと酸味が特徴だった。だから飽きが来ない。甘過ぎない分、胃に負担が掛からないと思っていた。
残り半分はほぼクッキーだった。噛んでもホロホロと崩れていく。蜜を吸い込んだしっとりした感触は今でも覚えている。
そして看板であるアイス珈琲。苦味強め、酸味浅め。私好みの珈琲だった。そしてこれがただのアイス珈琲ではなく、味が薄まらない様に熊の氷が添えられているのだ。
黒の角砂糖の様なそれは、女性ウケが良さそうだった。私も勿論好き。
「半分果物だから、飽きが来なくてさ〜。これならセーフでしょ? くまちゃんかわちぃ」
「チッ。……はぁ……」
聞こえる様に舌打ちをして、また背中を押す。
最近休日に当たる度にケーキを貪り食ってたので、釘を刺されていたのだ。『お前、地獄見たいのか』と。最初は寡黙を貫いていたのだが、流石にマズいと思っての忠告だった。だから反論出来なかった。
「で、また腹を壊したと」
なお、私は空腹時に甘いものを流し込むと、大抵腹を下す。消化に負荷が掛かり、暫くトイレに籠る事になる。
「それは本当にすんません」
「諭羅に伝えたら、何て言うだろうな」
それは流石に反則でしょ? 諭羅は私達の前ではオカンなのだから。何を言われるか分かったもんじゃない。
「……まぁ腹を壊したけど、ケーキ美味しかったし、くまちゃん可愛かったし。だから君にも伝えたかったし。でもお友達いたからさ」
知っている。瑠衣は写真よりも物を読むのを好むと。こうやって見せられるよりも、書いた物を読みたいのだと。
でも何時如何なる時でも、執筆や瑠衣を優先することが出来るという訳ではない。
「勿体ないね。今も勿論書くよ。でも、多分褪せちゃってる」
だから一瞬で収められるズルをしたんだよ。私達の信念を破っても、君に見せたかった。
写真撮るのあまり好きじゃないんですよ。
撮ることばかりに意識が向いてしまうから。
目の前の現象に目が向かないから。
だったら『何があるか』『何を感じたか』『どう思ったか』それを書いた方が良くない?
って思ってしまうから。
だから時間がない時、書けない時が多い。
書いてて『何書いてるの〜?』なんて言われたら恥ずかしくて死んでしまう。
瑠衣がここまでブチ切れてるのは、休みの度に最近はずっとケーキ食べてるから。
偶然の重なりとはいえ、そろそろ止めさせないと、お前好きな事出来なくなるぞ。加減覚えろ。
という忠告を込めて。
ちなみに、糖分過多で腹を下すのを見てきたので、本日の瑠衣のグリグリは、胃や口に関わるツボばかり。
胃潰瘍とか、胃のトラブルとか、脂肪太りとか。
恋はないけど、愛はあるんですよ。
んでもってここまで身体すり減らしているから、何かしら書きたかった。
書き物と演技だけが生き様なので、それが出来ないとやっぱり苦しいし、信念の喪失。
その代わりに写真を撮ってる時点で、『なんだかなぁ』モード。
ある種の地雷なんです。
でも君に見せたかった。良かったんだよって言いたかった。