面倒くさがりな天使は今日もやっぱり諦める
「おい、天使レティーシア」
「なんですか?フルネームで呼ぶなんて気持ち悪いですね。神様」
「お前、天使の仕事サボり過ぎ!あと神に対してその態度何!?一回地上にいって、その面倒くさがりな性格と態度、直してきなさい!」
「えぇ〜面倒くさいです。」
「ほらそういうとこ!!」
「天使レティーシアに命ずる!今から送る国を滅ぼすべきかどうか、調査してきなさい!」
「あぁ〜〜〜」
(抵抗するの面倒くさいな。)
と思った面倒くさがりな天使は、気の抜ける声と共に抵抗する事を諦めて気の抜ける声と共に地上に送られた!
ドカーン
レティイシアは、盛大に地面をめり込ませながら地上へと舞い降りた!
「ここが地上、、、、動きたくないなぁ」
レティーシアは、地面に突き刺さったまま動くのを諦めた!
…しばらくすると、青年が通りかかった!
「この国は腐っている。どうしたらいいんだ。第八王子程度の俺ではどうする事も、、、、、ん?」
あっ気づいた。
んん゛
青年はレティーシアに気が付いた!
「おぉい!なんで地面に突き刺さってるんだ!?」
「Zzzzzzz」
「寝るな!!」
レティーシアは寝ている!
レティーシアは青年の存在に気付いていない!
「おい起きろって」
「Zzzz」
「起きろ」
「Zzzzz」
「お前いい加減にしろよ!」
青年はキレた!
しかしレティーシアは起きない!
「はぁ、仕方ないなぁ。助けてやるか。」
青年は思ったより優しかった!
「まったく。てかなんで地面に突き刺さっているんだ?」
青年は、また当たり前の疑問に気が付いた!
さっきも同じこと言ってた!
「まぁいいか」
青年は疑問を受け流した!
アホたこいつ!
「はぁ、、、今日だけ家に泊めてやるか」
レティーシアは寝ている間に寝床を手に入れた!
レティーシアは青年に背負われて運ばれていった!
ーー数時間後ーー
「あ〜よく寝た」
レティーシアはようやく起きた!
「ここはどこかなぁ?」
レティーシアは危機感が皆無だった!
(…誰か来る)
「おー!やっと起きたかぁ」
「あなた誰?」
「俺は、この国の第八王子のアランだ!」
「アラン?」
「そうだ!お前が地面に突き刺さってたから助けて俺の家まで運んでやったんだよ。」
(…しかしなんで俺が第八王子だという事に驚かないんだ?
…こいつなんか裏があるな。だが正体が分からない以上泳がせておくか。
今は接しやすい気さくな青年を演じてやろう。)
王子は意外と賢かった!
アホは撤回する!
「そうなんだ。ありがとう」
「おう!」
(アランか。なんか第八王子とか言ってるし、この国の存続を決めるのに便利なのでは!?)
レティーシアは閃いた!
「ごめん。申し訳無いんだけど今、住む場所がなくて困ってるんだ。ここで働かせてもらえないかな」
(…この女を見極めるのに丁度いいか)
「いいぞ」
レティーシアのメイド生活が始まった!
レティーシアは、本来とても美しいまさに天使と言った様な容姿をしていたが地上に降りている今は、あまり目立たない地味な女の子風になっていた!
ー3年後ー
(あいつはなんなんだ!?)
アランが心の中で叫んだ!
(ここに来てからとんでもなく仕事ができていて、有能な上にメイド達の様々な相談をされては解決を繰り返して、周りからの信頼もとんでもない。)
レティーシアはモードが2つあった!
1つはだらだらモード(通常)
2つ目が超有能モード(短期任務中のみ)
現在レティーシアは、2つ目のモードだった!(メイドの仕事中のみ!)
(しかも最近の問題はこれだ。)
アランの手元には、
『一介のメイドドラゴン討伐!?』
という記事が置いてある!
「なんでドラゴン狩ってきちゃうかなぁ」
(だが1番の問題は、皇室の腐敗だ。ここ3年でさらに酷くなった。しかもドラゴンを倒したレティーシアに目をつけて、取り込もうとしている。
取り込まれたら最後、永遠に奴隷の様な生活をする事になるだろう。
俺は出来る限り守ってやりたい。)
レティーシアにアランも絆されていた!
レティーシアの仕事以外の面倒くさがりな態度と王族に対するタメ口には微妙な立場のアランにはレティーシアは親しやすさを感じ気に入っていた!
しかし、アランの抵抗虚しく王様と結局レティーシアは会う事になった!
「面倒くさい〜。ねえアランどうにかならない?」
「すまない。できる限りのことはしたんだが防ぎきれなかった。」
「頼らなーい!」
「本当にすまないな」
「なんかすぐ謝られると違和感!!」
(まぁでも、王の態度次第でこの国の存続を決めるとしますか)
レティーシアは意外と仕事していた!
この3年間で周りを観察して考えた結果、この国は『クソ以下』だという事が判明していた!
しかしアランの態度が素晴らしかった為、国は存続していた!すごいぞアラン!頑張ったぞアラン!ついでにメイド仲間の一部が優しかったこともある!
「到着いたしました。アラン様、レティーシア様」
「ありがとう」
「すまないな。それでは向かうぞ。レティーシア」
「うん」
そうして謁見の間へと向かうのだった!
…着いた頃にはレティーシアの皇室への評価は地に落ちていた!
「…なんで平民の家とかはあんなボロいのに、皇室はこんな金ピカなの?」
「ははっ。腐ってるからだよ。中身がな」
そんな乾いた会話をしながらついに王様と顔合わせの時間がやってきた。
「よくぞまいった。ドラゴン殺しのメイドよ」
(…アランの存在が無視されてる。あと後ろにいるのは第一王子か?どちらも太っているな。)
「貴様にはこれから皇室で働いてもらう」
「…何故?」
「わしがこれからももっと裕福に暮らすためじゃ」
「ねぇ〜父上〜こんな奴がドラゴン殺し〜?もっと美人が良い〜。まぁでも愛人程度にはしてあげようかな」
まぁ一生情けはあげないけどね!こんな地味女なんかに!などと下品に笑っている。
「・・・」
「父上!兄上も!いい加減にしてください。レティーシアは英雄です!レティーシアの意見も聞いて頂けませんか!?」
「ん?お主は誰じゃ?おい。騎士、奴を捕えろ」
「そうだそうだー!生意気なんだよ!みすぼらしいゴミの癖に!」
おおっと!レティーシアが珍しく無言だ!
無言の時はたいていガチギレしている!(滅多にないぞ!)
「・・・」
「・・・」
「…もう十分ですよね?神様?」
周りがざわつきだす。レティーシアが、光だし元の姿に戻り出しているからだ。
「この国は、この王と時期王がコレではもう駄目です。………滅ぼしましょう」
完全に元の姿に戻った『天使』が、滅びを告げる。
「ははっ!何者かと思っていたが天使だったか!」
アランだけは納得した様に落ち着いている!
「まぁ実はこの国にはもう、うんざりしていたんだ。だが、民に罪はない。皇室皆殺しで勘弁してくれ」
アランは死を覚悟したようだ!
「いや?アランは殺さないけど?」
「…へ?」
「いや、だってこの国滅ぼしたら新しい国作らなきゃじん?」
「おう。」
「新しい指導者探すのは私の仕事になるはずだから面倒くさい。なんでここに適役が居るのに殺すの?」
レティーシアは『新しい指導者』を造るのを諦めた!
…………そんなこんなで、帝国は滅ぼされて私達が住んでる国、「レティーシア」が出来たのだ。
「王」アランが語る。
これは、地上で動くのを「諦め」そこで助けてもらった青年のもとで働き、ドラゴンを倒し、元帝国王を改心させるのを最初から「諦め」アランを殺すのを「諦め」た、どこかの天使の物語。
また、
面倒くさがりな天使は今日もどこかで諦めている。