9話
ユメノ「そういえば何をしに来たんだっけ?」
クエストの依頼書を読み返す。
・巨大イカの討伐
ユメノ「イカだー!お刺身でも美味しいし、焼いても美味しい…あ、やば。お腹空いて来ちゃいそう。寝ちゃお」
―
ユメノ「おはようございまーす…?あれ誰もいない…」
食堂に明かりがついていない。匂いもしていないから誰もいないのだろうか。
諦めて外に出る。
―
「これ以上食われたら赤字も赤字、大赤字になっちまうよ…」
「これで作り始めていいんですね?」
「ああ、みんなが起きる前に頼むよ」
「昨日のうちに作り置きしていたからそこまで時間はかからないと思いますよ」
「これで少しは保つだろう…夜は…頑張るしかないな」
―
ユメノ「あ、船だ。すみませーん」
「んあ、なんだ?」
ユメノ「この辺に出る巨大イカを倒すように言われて来たんですがー」
「巨大イカのところなんか行かねーぞ」
ユメノ「えー?なんでですか?」
「船が壊されちゃ元も子もないからな」
ユメノ「どの辺にいるかは教えてもらえないですか?」
「ここから東に小湾がある。そこにたまーに出没するって聞いたことあるよ」
ユメノ「そうなんですね。わかりました」
「あんた一人で倒すのかい?無茶だと思うねぇ」
ユメノ「そうですかねー…手伝ってくれたりは…」
「しないな」
ユメノ「それじゃしょうがないですね…」
―
ユメノ「小湾ってここかな」
円状にくり抜かれたような場所がある。
確かに影が蠢いている。
ユメノ「あれかなー?」
木を倒して小湾に投げ込む。
影に当たり、影の動きが止まる。