2話
「この辺の草も美味しいなぁ。茹でたらもっと食べやすいかも」
草を切っては食べ、切っては食べを行い、移動をしていた。
流石に土は美味しくなかった。
「ふぅ…流石にお腹も膨れてきたかな」
来た道にはぺんぺん草も生えていない。通ってきた道がわかるようだ…。
「お肉とか食べたいな」
再び、草を食べながら移動をする。
―
「やっと街に着いた…」
「おい!お前!一体何者だ!」
「私ですか?私はユメノ。お腹が空きました」
「いや…お前が通った道、草一本も生えてないんだが…まさか毒でも振り撒いているんじゃ…」
ユメノ「それは…実は…」
―
「全部食べた…?嘘だろ?見える範囲だけでも無になっているぞ…しかも女子がそんなに喰らうとは見たことも聞いたこ
ともないぞ…しかもそれだけ食べたならその出している腹はもっと出ているだろう!」
ユメノ「そうなんですよね…いくら食べてもお腹が出ないんです…」
「いくらなんでも信じ切れんな…」
ユメノ「でも…こうしているとお腹空いちゃうし…」
「本当か…?」
ぐぅ〜…
「本当みたいだな…」
ユメノ「でしょ…?」
「わかった。腹の虫に免じてここは通そう。ただお金は持っているのか?無いとそもそも食べ物に在り付けないぞ?」
ユメノ「一応10万カンは持っているんですが…」
「10万カンか…その食事量だと1週間保たないな…」
ユメノ「高いんですか…?」
「いや…あの量を考えるとだな…そうだ、自分でモンスターを狩って食べるのはどうだ?」
ユメノ「狩りだなんて…」
「とりあえず、この街を案内してやる。まずは食事だな」
ユメノ「ありがとうございます!」
「いや、その辺に放置して家など喰われたら敵わないからな」
ユメノ「流石にそれは…」