63/91
2人で錬金術士
「ど、ドドどうしましょう!?モミジさん!!」
「まず、落ち着いてくれないか。揺らさないでくれないか、酔う」
「私も街で聞いたよ。賊が王宮に入ったって噂」
「賊か、きな臭いね。僕達も気を付けないと行けないね」
「ねぇ、君って王都の人なんでしょ?そういう伝達と無かったの?」
「そういえば、無いね。もしかするとそれどころじゃないのかもしれない。千年魔女様がそういう事を蔑ろにするお人では無いから、緊急事態なのは間違いないかもね」
「……王都の錬金術士の人達も薬くらい作れますよね?なんで、私の所にも依頼が来たんでしょうか」
「なーに、嫌なの?やってやろうって気持ちで行かなきゃ!」
「い、いえ。決して嫌とかじゃなくて……」
「…………僕も王都の錬金術士だけど、正直ろくな薬は作れない。僕らは兵器しか作れないから」
「…………じゃあ、一緒にやりましょう!爆弾だって魔物に使ってるんですし、悲観することじゃないよ!」
「そーだよ!ほんと君ってネガティブ。君はすごいよ!もっと自信持ちなって!ふふ、2人で錬金術やるんでしょー?私見てみたいな!」
 




