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納品依頼
「入れ。おお、やっと来たな」
「やっとって。今読んだばかりじゃない」
「ま、まぁ、それほどに急を要する事だ」
「はぁ。何かあった……んですね?」
「王都の方の砂嵐が被害を出したらしくてな」
「ええ、被害出たんですか?いつもなら」
「ああ、いつもなら砂嵐が起きてもすぐに魔法使いや、兵士が納に行くんだが、どうにも上手くいかなかったらしい」
「そんな、変ですよ」
「モミジ君、変なのは重々承知。でも私達には何故と聞いても答えてくれないわ」
「……それで、読んだ理由はなんですか」
「うむ、元々試験的な意味合いを兼ねて軟膏を作ってもらうはずだったな?」
「ええ、今日言われたばかりですし」
「それと併用して回復薬を作って欲しい。それも早急にだ」
「お薬」
「サリバ、その本が役に立つんじゃないかい?」
「本。あっ!……局長、何とかしてみせます」
「良かった。じゃあ4日後までに納品してくれ」
「はいっ!……4日!?」




