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錬金術師サリバの終わりゆく話  作者: 新規四季
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「報告は後回し。今すぐ使えるものと、さうじゃないのとで分けよう。……あっ、ダメじゃん」


シリンダーはよく見るとヒビが入っていた。昔の道具だし、仕方ないとはいえ、惜しい。


後で何とか直せないか試してみるのもいいかもしれない。器具は一通り見た。


驚くことに全てメリー工房のものだった。ここまで来ると前任錬金術士はどういった人物だったのかも気になるところだ。


さてさて、1番興味があって、ずっと調べてみたかった本棚に手をつける。


「どこから見よかな。あっち?やっぱりこっち?でもでも……」


優柔不断が顔を覗いて来た。本棚の仕舞いかたでも意味がある場合があるので、放り出したりはしては行けない。もっとも、サリバは几帳面な方の本好きなので決して蔑ろにせず、産まれたての赤子のように扱う。


子供の頃はそれをやたらとからかわれたけれど、止めなかった。サリバにとって世界を知るには本しか無かった。だから、何よりも大切に扱った。


学園時代にはやたら本を読むし、読むスピードも早い子が居たけれど、ページを開いたまま、うつむせにして癖を付けたり、片付けずにどんどん上に積んでいき、下の方の本に変な重さがかかってしまっていたりと、今思い出しても少しムカつく。


そのムカつく子は元気だろうか。


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