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迫る破滅
俺は何を見たんだろうか。毎日毎日朝から晩まで訓練をして、その中でも優れ、魔物との戦いの中で生き残り続けてきた精鋭である騎士が、スフィアと呼ばれた女が手を肩位置で拳を作り開いただけで倒れたのだ。
「あっ……」
「ふふふ、呆気ないね」
「スフィア来て。見て。見つけた」
「何回みても分からない。どうやってるの?」
「世界をデータに書き換えて……って、今は良いでしょ。この先だよ」
「あ、君。段差あるから気を付けて」
「は?え?あ、ああ……」
ああ、もう俺は引き戻れない所に来てしまったのではないか。無理にでも抵抗すればよかったのではないかと公開するが、抵抗してらきっと何の抵抗もなく住民を殺していただろう。
あの時、スフィアとぶつかったのが運の尽きだったのかもしれない。
まったく、今日朝起きた時なんて、訓練大変だけど頑張ろうみたいなことしか考えてなかったってのに。
「なぁ、この後。お前たちが宝玉を盗んだとして、俺はどうなるんだ?殺されるのか?」
「いや?付き合ってもらうよ?」
「……何に」
「世界を正しく終わらせるのに、さ」




