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冬桜
(魔法が暴走だって?それじゃあ、まるで、魔法によって砂嵐が発生してると言ってるようなものじゃないか。宮廷の魔法使いの連中か?それとも……)
「どうも、上手くいかないね」
「あっ、騎士様だ。お前もここまでみたいだな」
「そんなに強いの?」
「ああ強い。歴代2番目だと謳われる」
「ふっ、1番じゃないのね」
「1番強かったのは人じゃないからな」
「なんでもいい。冬桜?もう出てきていいよ」
目の前の大きな鎧を被った白銀の騎士はその場に崩れ落ちた。唐突に倒れ込んだようにしか見えなかったが、ブロアが瞬きをした一瞬で小柄な女の子が、その倒れ込んだ騎士の横にダルそうに片足立ちで居た。
青みがかった白。眠そうにじっとこちらを見ている。まるで睨んでいるかのような眼力を感じる。
手に持っているのは何かしらの小手だが、見慣れたのもでは無い。どういう手段で騎士を倒したのかすら分からない。
その分からないが、相手の力量を否応無く分からさせられた。




