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薄情者どもよ
「うふふ、さぁ、さぁ!錬金術士様〜こちらにおかけになって?」
「はい……」
戦々恐々と震えながらソファに座らされて、膝をピタッとくっ付けて怯えていた。しかし、希望はひとつ残っている。
(きっと、きっと局長は助けてくれるはず!)
局長はサリバの小さい頃からお世話になっていて、頼れる大人で、お父さんと錯覚するくらい自然に甘えていた程だ。
「おう、おはよう!んじゃ、外回り行ってくるな!」
(逃げた!局長のばかー!)
「昨日の晩、おかしな事があったの。なんでもツインテールでステッキを持った、それはそれは可愛い女の子がね?」
「はい」
「なんとビックリ!空を飛び跳ねていたんですって!」
「ワー、スゴイナー」
「そんなねちっこい事しなくても、注意ひとつでいいでしょ」
「あら、モミジ君はサリバの肩を持つのね」
「それは……そうっ、同じ錬金術士ですから!」
「ふーん、あーやーしー」
「な、なんですか。ああ、そういえば視察するところがあったな!では!」
「ああっ!君まで!?」
 




